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愛しい食卓をささやかに彩る。千田稚子さんの器
2024年06月13日
by 煎茶堂東京編集部
自称”くいしんぼう”の陶芸家、千田稚子(せんだ・わかこ)さん。食べるのも、作るのも好きだという彼女は、料理からインスピレーションを受けて器を作ることも多いそうです。食事を支えるための皿、調和しながら静かに彩ってくれる器を作っています。
千田さんは地元のテレビ局に一度就職したあと、大学時代から憧れていた陶芸の世界へ足を踏み入れました。
2000年から岡山県中区藤崎に「陶工房ゆうらぼ」を開き、活動されています。工房を共同で主宰されている陶芸家の三宅史家さんは、岡山大学教育学部特美、陶芸科を同じ年に卒業された学友とのこと。個々に制作、発表をしながら、器展を共同開催したり陶芸教室を営んでいます。
シンプルかつ機能的でありながら、素朴な個性が光る千田さんの作品。今回は「艶白ゴブレット」、「艶白ジャムカップ」、「灰釉縁立皿」の3点をご紹介します。
千田さんの作品は静かで控えめですが、その奥に独特の味わいがあります。自身も作品制作において、奇抜なデザインや模様に頼らないように、と意識されているそうです。
陶芸を始めた頃から、作品に使う色彩は制限されており、白と黒を中心に、ミニマルなカラーパレットで構成されています。シンプルだけど創意が感じられる、個性が芯にあるような作品は、暮らしの中でじんわりと魅力が引き出されていきます。
日常使いに「艶白ゴブレット」
飲み物を入れても、デザートカップ、スープカップとしても使えるゴブレットです。足つきのゴブレットは、カップよりも一段階、エレガントな気持ちにさせてくれますね。
ぽってりとしたフォルムと、艶のある質感。重心が低く、安定した形状は日常使いにもぴったりです。テーブルの上にリズムが生まれて、食卓に少し華をプラスしてくれるような器です。
万能な「艶白ジャムカップ」
ジャムカップと名前がついていますが、もちろんどんな使い方をしても構いません。底面からすっと立ち上がるフォルムが美しく、万能なカップです。
料理の盛り付けを考えたくなる「灰釉縁立皿」
縁が内側に向けて立ち上がっているボウルのような形状で、サラダや汁気のある煮込みの料理、どんな料理も受け止めてくれます。灰釉のやさしい表情も、色のある料理を引き立てる役割を果たしてくれます。どんな料理を盛り付けようか、誰と一緒に楽しもうか。そんな楽しい想像が働くような器です。
自分の料理だけではなく、母や祖母が作ってくれた料理の原風景も、彼女の作品に息づいています。また自宅と工房が隣接していて、作陶の合間にも自宅に戻り、家族のために食事を作ることが制作のリフレッシュと新しいアイデアに繋がっているそうです。
同じものを食べて飲んで、話をする。大切な家族や友人たちとテーブルを囲む時間が深く濃く彩られるものである。だからこそ料理を作る人の想いが映える器、使う人の気持ちに寄りえるような器でありたい。そんな千田さんの願いが込められた作品は、日々の愛しい食卓をささやかに彩ってくれます。