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再生土を利用した、生活に溶け込むやきもの。中村譲司さんの茶器
2024年04月18日
by 煎茶堂東京編集部
京都の清水寺の麓に工房を構える、陶芸家・中村譲司(なかむら・じょうじ)さん。京都精華芸術大学で陶芸を学び、卒業後は陶芸家の河島浩三氏、喜信氏に師事しました。20代後半で独立し、自身が主宰する工房「G-studio」を設立しています。
中村さんは、幅広い作風に加え、器からオブジェなど作品のジャンルもさまざま。G-studioでは3つの部に分けられ、食器や茶器など生活に身近な「陶芸部」、陶磁器によるアート作品を制作する「美術部」。そして茶道具である振出(小粒の菓子を入れる小形の菓子器)の“管蓋”と呼ばれる蓋をオーダーメイドで制作する「管蓋部」と3つの部に分けられています。
そんな中村さんの作品から今回は「急須」と「湯碗」、「片口」、「茶杯」をご紹介します。
「灰釉後手急須」
近年、釉薬の原料や粘土の価格が高騰し、なかには廃番になったりするものもあるそうです。中村さんは、材料の節約ではなく、限りある資源を少しでも大切にするために、再生することの意識を大切にされています。
G-studioでは土は廃棄することなく再利用し、ろくろからでた泥水でさえも捨てずに再生土に利用しているそう。灰釉の茶器シリーズは、再生土をしたもの。再利用する土は不純物が出るので、真っ白な制作物には不向きですが、今回の茶器のような作風にはぴったりです。
そんなサステナブルな茶器シリーズ、使い勝手もよく生活空間によく馴染みます。ぽってりとしたフォルムの後手急須は、作業や仕事の合間に、ちょっと一服。さあお茶を入れましょうか、といった風景に寄り添ってくれそうな佇まい。蓋のかかりはしっかりとしていて、手に持った時の安定感も抜群です。
「灰釉湯碗」
急須と揃いの模様が、やさしい土の風合いを感じさせる「灰釉湯碗」。丸い形が手に心地よく馴染みます。茶器としてだけでなく、自由な使い方ができる器として活躍してくれそうです。
「灰釉茶杯」
茶杯はしっかりとしたサイズ感。無骨と繊細の中間のちょうど良さ、暮らしの中での使っている風景が見えるような茶杯です。底面からの立ち上がりは無釉と、釉薬のコントラストが美しいです。
「灰釉片口」
シンプルなずんどう形に片口がアクセントになっている「灰釉片口」。こちらは急須、湯碗と違い縦に土を掻いた模様がなく、シンプルに釉薬の表情を楽しむことができます。注ぎ口の部分は、液体を注いだ時に美しく見えるよう、繊細なつくりになっています。
30代頃まではずっとオブジェを中心に作っていたという中村さん。器の制作では、器の使われる、置かれる空間を最も重要視しているそうです。多様に変化する建築空間や日本の四季と風物。それらがインテリアや食卓に溶け込む器が、彼にとって理想の器の空間ということです。