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作り手のことば「偶然を意図的にコントロールできるようになれば、それは成功」陶芸家・中村譲司さんインタビュー
2024年04月19日
by 煎茶堂東京編集部
大学で陶芸を学び、京都の伝統工芸士のもとで技術と表現を学んだ陶芸家の中村譲司さん。海外でも各地で個展を開催するなど、精力的に活動されています。
今回、煎茶堂東京で中村さんの作品をお取り扱いするにあたり、中村さんのお人柄、作品や陶芸に対する想いなどを伺いました。
中村さん、今回はよろしくお願いします。まずは簡単なプロフィールを教えていただけますか。
よろしくお願いします。私は大阪出身で美術高校を卒業後、京都の大学で陶芸を学びました。大学卒業後は、伝統工芸士として急須などを中心に制作されている河島浩三氏、息子さんの河島喜信氏に師事して、技術やスタイルを学びました。
その後、2012年に独立して現在にいたっています。
中村さんが器を作ることになったきっかけを教えてください。
漠然と美術高校に入学したものの、「これを仕事として生きていけるのか」と疑問に思いまして。工芸の分野なら可能性があるのではないかと思い、大学で陶芸を専攻したことがきっかけですね。
作品を作る工程の中で、中村さんが好きな工程と理由を教えてください。
「削り」です。「削り出し」という私の制作スタイルにとって、重要な工程だから好きですね。
作品を作るにあたって、何かインプットはありますか。
建築物鑑賞です。好きなのはアジアの建築物。自然と一体化した建物が特に好きですね。ただ、インプットする際には魅力のある・ないで分けているわけではなく、世界中にあるさまざまな建築物を資料に制作するといった感じです。
それぞれの建築物の食住空間に、どのような食器・インテリアが融合するのかというのを考えながら、器を作っています。
器を作る上で、一番大事なことは何だと思われますか。
日々の精神状態と健康状態でしょうか。心身が整っていないと思うような制作ができません。
陶芸は、酸化焼成・還元焼成※どちらにするかなど、制作過程の中で仕上がりの表情を左右する工程があるかと思います。
「通常であれば酸化焼成で仕上げるところ、あえて還元焼成で仕上げてみたら、異なる魅力を持つ作品ができた」というようなこともあるようですが、そうしたセレンディピティ(偶然がもたらす幸運)は他にもあるものですか?また、中村さんはそのような「偶然の出会い」をどのように捉えていますか?
偶然というのはあるかもしれませんが、一度きりの偶然は失敗で、偶然を意図的にコントロールできるようになれば、それは成功だと捉えています。
中村さんは、以前に「地球の命を削ってそれを材料にモノを作って生活している」と書かれていますが、やきものを制作するにあたって、サステナブルを意識して実践していることや作品に生かしていることがあれば教えてください。
当たり前のことですが、常に丁寧に作っていくことですかね。丁寧に作った結果、B品が出ることが減って、地球の命を極力削らずに作品を生み出すことができます。そのほか言葉では説明しづらいですが、作業工程において材料を無駄にしないよう気を遣っています。
中村さんは、過去に世界各国で個展を開かれていますが、作品への感想や受け止め方について、国ごとにどのような違いがあると感じますか。
急須を作りはじめてから海外のオファーが増えましたが、やはりお茶の文化のあるアジア圏の韓国・台湾・中国あたりでの反応が良いです。欧米の人たちは表面のテクスチャー、いわゆる釉薬の表情に興味があるように感じますね。
最後に、今後何か挑戦してみたいことはありますか。
20〜30代の若い頃は、ただガムシャラに作品を制作してきました。歳を重ねた今は、少し落ち着いて、物事をしっかり感じ取りながら制作していきたいと思っています。