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おおらかな遊びが光る。秀野真希さんの茶器
2024年04月18日
by 煎茶堂東京編集部
やわらかいフォルム、おおらかな空気をまとう陶作品が魅力的な陶芸家・秀野真希(しゅうの・まき)さん。
もともとは多摩美術大学工芸学科ガラス専攻にて、ガラスの技法と現代アートを学んでいました。卒業後、手で直接触れることのできる素材として陶土に素材を変え、主に器の制作にシフトしていったそうです。
2019年に京都府南丹市に移住と同時に独立し、現在は家具職人の夫・祐介さんとともに「家具と陶 やがて」として活動されています。器に留まらず、用途をもたないオブジェなど里山での暮らしからインスピレーションを受けた彼女の作品たちは、どこか心の緊張をとき解いてくれるようなあたたかさをたずさえています。
そんな秀野さんの作品から今回は「マグカップ」、「くみだし」、「片口」をご紹介します。
持ち手に心躍る「マグカップ」
煎茶を愉しむシーンにぴったりの容量約120mlのカップです。秀野さんの作品には、円形をモチーフにしたものが多く登場しますが、そのエッセンスは器にも。カップの丸い持ち手はなんともいい塩梅で、遊んでくれています。
テーブルに置いて眺めてもいいですが、取っ手の輪っかをキッチンのフックに引っ掛けてみたくなりますね。誰かとお揃いにして使ってもいい。何を淹れようか。そんな想像が膨らんで、使うたびに静かに心躍らされるマグカップです。
使いやすい「くみだし」
もくもくとした雲のようなオブジェなど、有機的な作品も代表的ですが秀野さんですが、器のシリーズはしっかりと実用性も兼ね備えています。マグカップと同じく半磁器素材の「汲み出し」。この素材は、電子レンジ使用可なのも嬉しいポイント。
汲み出しとは、来客用の湯呑みのこと。茶会では寄り付きや待合の際に使われます。形状は湯呑みよりも浅く口が広いものが多いイメージですが、秀野さんの「くみだし」は縦にスラットとしたデザインが美しいです。使いやすいサイズ感と、広くて飲みやすい飲み口も絶妙。
揃いで並んだ時に、一点一点少しずつ表情が微妙に異なるのも、手作りの半磁器の良さを感じられます。
愛らしいフォルムの「片口」
ぽってりとした愛らしい「片口」はまるでミルクピッチャーのよう。お茶のシーン以外にも、用途を選ばず活躍してくれそうです。薄い円形の粘土を注ぎ口になるようにつけたデザインと、ほんのりとくびれたフォルム。やさしい線の揺らぎに心打たれます。
『アートピースは少なからず私というものが取り込まれた物体である一方で、ろくろ挽きの器は自分のものではなく誰かのものであるという意識で作っていました。なので個性的だけれどどこか無機質なものを目指しています。』と秀野さんの展覧会の際に言葉を発信されていました。
彼女が誰かのために作った器たちは、おおらかで朗らかなお茶の時間に寄り添ってくれることでしょう。