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とっておきのMYあんこ。vol.04 新潟の笹団子 - 山田薫

2023年12月21日

by 煎茶堂東京編集部

あの人が愛するあんこと、あんこの思い出エピソード。月に一度更新予定。3ヶ月ごとに“あんこラバー”が変わります。様々な人が、その人生で記憶に残るあんこのお話をご紹介します。

今月のあんこラバー
山田薫さん

フォトグラファー。埼玉県生まれ。TOKYO TEA JOURNALのレシピ撮影ほか、雑誌『dancyu』や広告などで活躍中。

新潟の笹団子

 新潟出身の母を持つ僕は、子供の頃に笹団子をよく食べていました。堅い紐は引っ張っても解けず、子供の手には余る結び目を鋏でぶちぶちと切り離し、ザラザラとした葉を中身が破けないように慎重に剥くと現われる深緑色の団子。この難しすぎる開封の儀と渋すぎる見た目が「ちょっと苦手」だった幼い頃の僕。けれど、大人になって再会した笹団子は、僕に違った印象を与えてくれました。プラスチックフリーの包装は全く現代的で好感度が高く、藺草を使った紐は工芸品のよう。その存在全てが、初老になった僕の心を鷲掴にします。

 お気に入りの蒸籠で蒸して、昔あれだけ苦戦した紐と葉を今は簡単に外して、あんこを優しく包み込む笹の葉とヨモギの香りと共に、いつの間にか上っていた大人の階段をゆっくり振り返る時間を楽しみます。

このあんこ菓子に合いそうなお茶

Photo:山田薫

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