
ドリンク作家・emmyさんに聞くノンアルコールドリンクの“味の組み立て方”
2022年09月16日

by 煎茶堂東京編集部
季節や物語をグラスの中に織り込み、一杯のカクテルで表現するドリンク作家のemmyさん。ノンアルコールカクテルを作る愉しみとともに、その味の組み立て方についてもお話を伺いました。
教えてくれたのは…emmyさん
ノンアルコールドリンクを作る愉しみ
都内のオーセンティックバーでバーテンダーとしての経験を積んだemmyさん。
「バーテンダーを辞めてからも続けていきたい気持ちはずっと持っていました。身近な素材で手を動かすことから始め、3年前からノンアルコールのオリジナルカクテルを作るようになったのですが、やればやるほど、自分らしい自由な表現ができる場だと感じます」
旬の素材が思い起こさせる季節の記憶や、物語を感じさせてくれるemmyさんのカクテルは、ベースを決めて素材を重ねていくのが基本。スイカのカクテルも、たくさんの素材を使いながらもそれぞれが調和して、さわやかな一杯になっています。
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味の組み立てのコツ❶
季節の果物を使う場合には、「科」で揃えると味が調和します。バラ科のいちごやプラム、ウリ科のメロンやきゅうりなどがよく合います。また、バラの香りを加えると奥行きが出て深みのある味わいに。
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味の組み立てのコツ❷
ビネガーや甘酒など、発酵したものは複雑な旨みを持っているので、味の芯になります。旨みを少し加えたい場合、今回はしいたけパウダーを使いましたが、お茶を使うと優しい旨みと香りがプラスされます。
今回、季節の果実を使ったドリンクを、とリクエストして作っていただいたスイカのカクテル。
「スイカは粗めのジュースにしてシャリ感を活かします。水っぽくならないようにプラムとドライパクチーを漬けたシロップを加えて、味のアクセントにはカカオビネガーを。しいたけパウダーで旨みをプラスし、バラの蒸留水で香りに深みと奥行きを持たせます」。
幾重にも重ねられたレイヤーが、香りと味わいをどこまでも豊かに、贅沢にしてくれます。