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「大切にしたいのは、毎日の生活に寄り添う日常的なお菓子」romi-unie(ロミ・ユニ)いがらしろみさんインタビュー

2022年05月02日

by 神まどか

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。よく飲みよく食べよく眠る。好きな食べ物は「豆花」。突拍子もなく大きい声で歌うのが好き。朝に弱いけど早起きに憧れます。

煎茶堂東京では、5/11(水)から「romi-unie(ロミ・ユニ)」のサブレと走り新茶「くりたわせ」のセットを販売します。お菓子とお茶のセットは、「さくらの煎茶」に引き続き第2弾です。

私たち煎茶堂東京にとって特別な“新茶”に合わせるのは、ほっとするシンプルな焼き菓子。鎌倉・東京にお店を展開するromi-unieのサブレと味わう、優しい時間をお届けします。

今回は、学芸大学の「Maison romi-unie」にお邪魔して、romi-unieを作った菓子研究家のいがらしろみさんに、romi-unieのお菓子づくりについて伺いました。


販売開始:2022年5月11日(水)8時

いがらしさん、本日はよろしくお願いします。まずは、「romi-unie」のお店を始めたきっかけを教えていただけますか?

よろしくお願いします。20代の頃、フランス菓子・料理の学校で働いていたんですが、お休みの日を使って自分でフードイベントを行っていたんです。ちょうど時代はカフェブームだったりして。

自分でも人に提供したいという気持ちがあったけど、お店を始めるのは無理だし、すぐに行動に移せるのがフードイベントだったんですよね。知り合いの人のお店を借りてイベントをしたりしていました。

今でもそうなんですが、自分でできることならやってみたい!とすぐ行動に移すのはこの頃からあったかもしれません。具体的にシュミレーションして、「できそうだな」と思ったら、やろう!と。

あるとき雑貨屋さんでジャムを売るようになったらすごく売れて、これはお店にしなきゃなと思って、2004年の1月、鎌倉の扇ガ谷に製造するアトリエと少し販売できるお店を小さく作りました。今そこは移転してしまったんですが。

うちのスタッフも、扇ガ谷のお店でいがらしさんにクレープを焼いてもらったことがあると言っていました。

そうなんですね!扇ガ谷のお店から移転した後もクレープを作る小さいスペースを作ったけど、コロナになってしばらく閉めたんですよ。

でもすぐに居た堪れなくなってしまって……。このまま何もしないわけにはいかないというか、待っている性分でもないし、お菓子を作るスペースが欲しいなと思っていたのでそこを改装したりしました。

実はお店を作る前、1年間だけパティシエとして働いたことがあるんですが、毎日作り続けていくのが私には合わないなぁ…と感じていて。

大学生の時にケーキ屋さんで販売のアルバイトをしていた時も、お客様にケーキの良さを伝えるという仕事がものすごく好きで、「私はお菓子の仕事の中で、お菓子の良さを広める仕事がしたい」と思って、じゃあもっとお菓子のことを知らなきゃ!とフランスに留学してフランス菓子について勉強しました。

パティシエが作る繊細で華奢なお菓子も、もちろんフランス菓子として存在するけれど、純粋にもっと美味しくて楽しいものだよというのを、自分で作って広めたいと思ったんです。

家を作るときも、大工さんがいたりインテリアコーディネーターの方がいたり、設計士の人がいたりしますよね。お菓子作りで言うと、私は大工さんではないなぁと。全体を見るような仕事が合ってるかも?と、バイトでの経験とパティシエをして感じていたことがはっきりしました。

なるほど…!だんだんとお店が出来上がっていく道筋が見えてきました。

20代のときのフードイベントも、カフェをやりたいというより美味しいものを伝えるお店をイメージしていたし、イベントでジャムが人気だというのもあって、ジャムを毎日楽しんで作ってくれるメンバーを募ってお店ができました。

ケーキ屋さんとかだと朝から結構重労働だったりするんですけど、ジャム作りならもっとゆったり働けるし、そういうのもいいなと思って。

ジャムはお菓子を作るよりも簡単だけど、フランス菓子の考え方を取り入れていくと、なんだかとても創作的なものに見えて、どんどん想像が膨らんで面白かったし、今でもずっと面白いです。

美しく作られたケーキも食べてしまう時は一瞬で、すごく刹那的なもの。そんな儚いものも特別だとは思うのですが、私が作っていきたいと考えていたのはもう少し暮らしに入り込んだものでした。

ジャム作りで大切にされている「日常」というキーワードが、romi-unieの焼き菓子にも息づいていると思います。

そうですね。鎌倉にお店をオープンしてから、東京でも販売したいと言ってくれるお店がたくさんあったんですが、ジャムって良くも悪くも「放置できる」ものなんですよね。そうするとお客様に伝えるのがなかなか難しい。

できるだけ自分たちで説明したいなと思って、2008年の9月、学芸大学に焼き菓子とジャムのお店として「Maison romi-unie」を作りました。

お店をやりながら菓子研究家としてテレビや雑誌でジャムの作り方をお伝えすることが多かったんですけれど、ジャムのイメージが先行してしまったあまり、「ろみさんってお菓子も作れるんですね!」と言われる機会が増えてしまって(笑)。

むしろフランス菓子の勉強をしてたのに、このままジャムだけの人と認知されるのはマズい!と思って、お菓子もやっていこうかなぁと。でもキラキラした特別なものじゃなくて、さっきも言った通り日常に何気なくあるもの、もっと毎日のように食べるものがいいなって思ってたんです。

私たちが開催しているお菓子教室に来てくれる方に、どんな時にお菓子を作りますか?と聞くと、「家にお客さんが来た時にお茶とお出しする時」とか「お母さんの誕生日にパウンドケーキ作りたくて」とか。家で作るならデコレーションが施されたものじゃなくてやっぱり素朴な焼き菓子なんですよね。

家に焼き菓子があるとお茶の時間が豊かになるし、日々の生活の中にお茶の時間があるってすごく毎日が潤うじゃないですか。なので、そういうお菓子を作って売ろうと、焼き菓子専門店として、ジャムと焼き菓子と紅茶を置くお店をはじめました。

お茶の時間の良さは、私たちも本当に日々実感しています。

そうですよね。私が家でお茶を飲むときは、本当にいろいろ選ぶんですけど、紅茶も日本茶もよく飲みます。煎茶、ほうじ茶、玄米茶、ときどきフレーバーティーも。

この間、ある漫画家さんが「貰い物のお菓子を食べるときに、お茶を淹れなければ!とハッとした」と言っていて。それがうちのお菓子だったのですごく嬉しかったんですけれど。お菓子があって「さあ、お茶はどれにしようかな〜」って選べるのは楽しいですよね。

私たちが今回romi-unieさんのサブレとセットにするのは、種子島の走り新茶「くりたわせ」という、野菜っぽいほっこりした味のお茶です。

ああ、いいですね。子供の頃って淡い味わいのお茶の良さがわからなかったけど、今は大好き。お茶を飲み進めていくとどんどん分かってきて、いろんな美味しいお茶があるってことを知れますね。

お茶は、お茶だけで飲んでも美味しいからいいなと思います。お菓子と一緒でも楽しめるけれど、お茶だけでもほっとできる。お茶の時間を作って、お気に入りの器とかでお茶とお菓子の時間を味わうのは本当に豊かな時間ですね。

今回の優しいお味のお茶は、お菓子と交互に食べるとバターが勝っちゃうかもしれないですね。お茶だけ飲んで、最後にサブレかな。

「サブレ・ド・ブーランジェ」

そうなんですね。あれはね、元々「サブレ・ナンテ」っていうお菓子の生地で、本来はもっと大きくて丸くて分厚いものなんです。ケーキ屋さんとかパン屋さんに並んでたりするんですけど、パン屋さんで食べると美味しい感じのおやつなんですよ。

私がパリでお菓子の学校に行って一番最初に作ったレッスンで作ったお菓子が「サブレ・ナンテ」です。何回も食べたし、何回も作ったな……。思い出のサブレです。

セットに入っているのは定番としてずっと作っているサブレばかりなんですけれど、みなさん飽きずに買ってくれますね。私たちのお店の周りに住んでいる方は、美味しいものをたくさん食べていて舌が肥えている方が多い印象があって、そういう方が定期的にお店に来て買ってくれるのを見ていると、ほっとする素朴な味わいを作れているのかなと思います。

日常的に食べられて、じんわり美味しいお菓子を目指しているので、それがすごくありがたいです。

romi-unieさんのサブレは定期的に戻って食べたくなる味だと思います。

嬉しいです。romi-unieで作っているお菓子は、私がひとりで作っている時と変わらない作り方で、それを手仕事としてお店で作っているものなので、その良さは機械で作る味とは違うと思っているし、これからも変わらないです。

パティスリーだと片隅に置いてあるようなものが、うちではメインなので(笑)。そんな素朴なものばかりを作っています。

ほっこりするお茶で体を緩めてもらって、サブレでさらにほぐれて。おうちでそんな幸せを感じてもらえたら嬉しいです。

コロナになって、家でのお茶の時間を楽しむ人が増えてるんだろうなっていう実感がすごくあるので、丁寧にいれた美味しいお茶の時間が暮らしの中にあるということをこれからも推奨していきたいですね。