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日本茶と海苔で開く新しい和食文化の扉。繊細さを楽しむ「初摘み海苔」とは?

2020年07月31日

by 煎茶堂東京編集部

ワインやコーヒー・お茶には、その土地の気候や地理が生み出す味わい「テロワール」という考え方があるのをご存知でしょうか。そしてそれは土地だけでなく海の恵みを享受する食べ物も同じこと。海の食べ物は「メロワール」(仏語で海を表すmerとテロワールを合わせた語)と呼ばれるその地域の海の味が宿っているのです。 今回は、海苔に込められた土地の味を生産者の思いごと届けるある海苔店に、海苔のディープなお話を伺いました。

教えてくれたのは…ぬま田海苔四代目当主・沼田晶一郎さん

上質な海苔の味を広く伝えるため、「初摘み海苔」のリ・ブランディングに取り組むとともに、noteなどで情報発信を行う。
ぬま田海苔公式HP:https://numatanori.com/

日本で唯一の初摘み海苔専門店「ぬま田海苔」の歴史

1937(昭和12)年、川崎で創業した「沼田治雄商店」は、希少で高品質な海苔を厳選し、地元のお得意客に愛されてきました。その先達の思いを受け継ぎつつ、浅草・合羽橋に2018年にオープンした「ぬま田海苔」は、有明海の初摘み海苔のみを扱う日本で唯一の初摘み海苔専門店として、国内外から注目を集めています。

「初摘み海苔」とは、全国で販売される海苔の1%に満たない希少等級のこと。水温が23℃以下になる10月の中旬頃から収穫され、この時期のはじまりに収穫される海苔が初摘みの海苔になるのです。

初摘み海苔ができるまで

伝統的な和食はもちろん、おにぎりや巻き物など、日常の食事にも活躍する海苔。しかし、海苔がどうやってできるのかと聞かれると、意外と知らないことに気づきます。初摘み海苔が生まれるまでの道筋を辿ってみましょう。

Step1 海苔にも種がある

春になると、成熟した海苔の葉から胞子が放出されます。これが海苔の種の元になるもの。雌雄の胞子が結合して果胞子になり、これを牡蠣殻に植え付けることで培養されるのです。

Step2 牡蠣の殻がゆりかごに

牡蠣殻に植え付けられた胞子は、糸状の藻(糸状体)に。海水温が低くなる秋までは、殺菌した海水が入ったプールへ入れ、牡蠣殻の光合成を促します。栄養不足になったり、病気にかかったりしないようにチェックをするのも、この時期の大切な仕事です。

Step3 海という畑に種を蒔く

9月になると、海苔を育てる網をつなぐ支柱を海に並べ始めます。水温が23℃以下になる10月の中旬頃、30枚ほど重ねた海苔網に種を付ける「採苗」、それから網についた海苔の種から出た芽を育てる「育苗」を行います。

Step4 初摘み海苔を収穫

海苔の芽が15〜20㎝になったら、いよいよ収穫。この時期に収穫される海苔が、「秋芽」と呼ばれる初摘みの海苔になります。漁が終わる3月末まで収穫は10回以上行われます。

Step5 繊細な加工技術

収穫された海苔は、洗ってゴミなどを丁寧に取りのぞきます。細かく刻んでから板状に成型し、低温乾燥させれば完成。こうしてできた海苔は、漁協の検査場で色・艶・味によって等級付けされます。産地によって等級は変わり、その数は100を超えることも。

海苔のシングルオリジン。その違いと種類を知る

産地やその漁場によって、味わいやその柔らかさが異なる「初摘み海苔」。まさに海苔のシングルオリジン!実は海苔には等級があり、ぬま田海苔の海苔にも商品名として表記されているのですが、これはあくまでも目安。

どんな等級であろうと、食べてみておいしい海苔を選ぶのが一番です。自分の好みの海苔はどんなものだろう?と思った人は、ぜひこのチェック項目を参考にしてみてください。


口どけ
有明海の初摘み海苔の一番の特徴が口どけの良さです。口の中に入れた途端に、ふわっと溶けていく感覚は、何とも言えません。ただ口の中で消えてなくなってしまうのではなく、溶けると同時に、口全体にふわっと旨みの存在が広がっていくのが感じられます。
★口どけで選ぶなら… 「大和南◯特①」「鹿島第一壱◯2」


厚み
初摘み海苔のように、上質で柔らかい海苔を食べて驚くのが、その軽やかな歯ざわり。サクッとした歯切れが、小気味よく爽やかです。”重”の等級を持つ厚みがあるものは、海苔の繊維を心地よく感じることができ、噛むほどに口の中 に旨みが広がって行きます。
★厚みで選ぶなら…「鹿島第三壱重1」


旨み
海苔には、口の中に入れた瞬間の旨み(前味)とその後に感じる旨み(後味)があります。旨みには甘みの強いもの、出汁のような上品な味わいのもの、パンチの強い塩味のものなど、さまざまなタイプがあります。
★旨みで選ぶなら…「久保田町壱◯1」


風味
海苔の風味といえば、やはり爽やかに青い磯の香り。風味が特長のものは、海苔本来の心地よい味わいが穏やかに口の中で持続します。現在の海苔は「スサビノリ」という種類を使ったものがほとんどですが、この中に青海苔を混ぜた「青混ぜ」も、独特のビターな風味が魅力です。
★風味で選ぶなら…「両開旬◯特」「網田混1」


ぬま田海苔の「初摘み海苔」と一緒に味わう緑茶の淹れかたと、おすすめのペアリングもぜひ参考にしてみてください。