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「蒸熱」茶ことば大辞典 The Dictionary of Tea Terminology #4

2025年02月27日

by 編集部 煎茶堂東京

「蒸熱」

蒸熱(名)じょう・ねつ
❶温度が高く暑いこと。蒸し暑いこと。蒸暑
❷蒸して熱すること。
❸染色した糸および織物の仕上げ工程の一種。染料と顔料を十分繊維に浸透させ、さらに薬品の作用を促進させて、発色または固着を完全にするために行なう。
出典:精選版 日本国語大辞典より

生葉は摘まれたのち、次の工程となる「蒸熱」へと進みます。

蒸熱とは、茶葉へ蒸気を当てて蒸すこと。蒸すことによって茶葉の酸化を止めるとともに、生葉が持つ青臭さを抑えるのです。蒸熱を経て柔らかくなった茶葉を、何段階かに分けて揉みながら乾燥させていくことで、私たちが普段飲んでいる煎茶が完成します。

蒸熱はお湯で煮る方法もありますが、常に100℃で熱を加えられる蒸気の方が熱伝達がよく、ムラなく仕上げることができると言われています。

実はこのとき、蒸気の熱によって蒸されるのではなく、蒸気が茶葉に触れたときに温度が下がり水分になる際に発生する熱(凝縮潜熱)によって蒸されるのだそう。繊細な茶葉を美味しく、美しく、香りよく仕上げるために、ちょうどいい温度や圧力で蒸気を当てることが大切なんです。

イラスト=葛原美晴

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