
わたしの茶道具「お茶の時間は肉体と精神を癒す大切な時間」PARLOR NOON/三木麻友美さん
2021年10月08日

by 神まどか
煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。
お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。
目黒・PARLOR NOONでパティシエとして働く三木麻友美さんの茶道具は、高校生のときに出会った、モダンなシルエットながらどこか懐かしさもある急須です。
高校生の時に出会った
静かに佇む加藤財さんの急須
私が加藤財さんの急須に出逢ったのは17歳の時。通っていた高校の近くにある、「gallery夏至」さんにふらっと訪れたのがきっかけでした。
自然光の射す空間に、この急須がなんとも言えない空気を纏い、静かに佇む様に心を奪われました。
加藤財さんの急須は見た目も使い勝手も滑らかで心地良く、無駄を削ぎ落とされた美しさを感じます。
日頃からお菓子を作る私にとって、お茶の時間は特別。お茶の道具にこだわり、作るお菓子にこだわり、使う器にこだわる。器、茶道具の殆どは直感で選ぶことが多く、色合いや余白、器と菓子が合わさった時に生まれる空気を想像して決めます。
一人暮らしの小さい部屋の中に、お気に入りの器や茶道具を並べる為の棚があるほど、私の日常に大切なものです。
私の祖母は農家を営んでおり、幼い頃からよく畑仕事を手伝っていました。時計が15時を回ると、祖母は「お茶にしましょう」と言います。お茶にするとは、一旦やるべき仕事から離れ、休みましょうということ。お茶の時間は、肉体と精神を癒す為の大切な時間なのです。
だからこそ、茶道具は素敵なものを使いたい。日常の中に美を見出し、私の心を潤すのが「お茶の時間」です。
PARLOR NOON パティシエ
三木麻友美
2021年6月目黒にオープンした「PARLOR NOON」パティシエ。Instagram:@jeee.ves
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わたしの茶道具
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