
わたしの茶道具「物を選ぶというより、自分に合う人を探している感覚で選ぶ」ギャラリー「ten」/河合沙枝さん
2021年08月20日

by 神まどか
お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。
今回は、清澄白河のギャラリー「ten」の河合沙枝さんが、その審美眼の光る茶道具について教えてくれました。
茶室での無心になれる時間と
長く向き合うために選んだ
手馴染みのいい道具
茶道を始めたのは8年ほど前。
最初は長く続かないだろうと思い始めた習い事。当時まだ会社員だった私は、その茶室で過ごす時間が日常から抜け出す唯一の場所になりました。お茶を点てている時だけは無心になれていたのです。
茶道具はその辺りから少しずつ集め始めました。基本的には、現代作家のものを“見立て”で使うことが多いです。気軽に買えるものが多く、敷居の高く感じる茶道がより身近に生活に溶け込むように出来たらと思っています。
見た目の好みは勿論ですが、できれば長く愛でていきたいと思い、好きな作家のものを買うようになりました。
特に土物は素材が柔らかい土を使い作るためか、作家の性格が手に移り形として投影されているように感じます。
今は、物を選ぶというより、自分に合う人を探している感覚で選ぶようになりました。愛用している作品はどれも手馴染みがよく気に入っています。
急須、土瓶、茶入れ=服部竜也
蓋置=オノエコウタ
盆、抹茶椀=中村桜士
ギャラリー「ten」
河合沙枝さん
隅田川大橋の江東区側に佇むギャラリー「ten」を営む。ゆるやかなスロープが特徴的な店内は、東京で訪れたいスポットのひとつ。Instagram:@10_tokyo
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