
日常の美しい色をガラスに映す ガラス作家・黒川登紀子さんインタビュー
2021年08月17日
光を透過させ、反射し、吸収するガラス。真夏の照り付けるような日射しも、ガラスを通すことで少し優しく感じられる気がします。
お茶の定期便「TOKYO TEA JORUNAL」VOL.29では、お茶を飲む器として、窓として、インテリアとして、私たちの身近な素材であり続ける「ガラス」を特集。巻頭インタビューではガラス作家の黒川登紀子さんにインタビューしました。
スモーキーでやわらかな色や、ビビッドだけど、どこかやさしい色。その豊かな表情に、いつまでも見ていたくなる黒川さんの器たち。
美しいだけでなく、使ってみると意外にも食卓になじむというこの魅力的なガラスたちは、いったいどのように生み出されているのでしょうか。
教えてくれたのは…黒川登紀子(くろかわ・ときこ)さん
ガラス作家。東京ガラス工芸研究所にてガラス制作を学んだ後、香川県のガラス工房に勤務。1999年にガラス工房glass bee studioを設立。12年間の産休育休を経て、2013年より制作を再開。8月21日〜29日、西荻窪「HATOBA」にて個展を開催予定。
https://www.instagram.com/k5trk/
「不透明」から「透明」へ
大学ではもともと油絵を学んでいたんです。でも、油絵の「終わりのなさ」について悩んでいたときに文化祭で出会ったある作品の美しさにはっとしたんです。
それはプラスチックだったのですが、光を透過させるブルーがとても魅力的に見えて。油絵は完全な不透明ですから、余計に惹かれたのかもしれません。
その後ガラスを学ぶようになったのですが、「色」との出会いが、自分にとってはとても重要でした。透明のガラスに色を入れるとき、ガラスの色棒を溶かして使うのですが、アメリカのGaffer(ギャファー)というメーカーのものがとてもきれいだったんです。
ガラスの色の概念を壊してくれるような、鮮やかな赤や黄色。
色の名前もひとつひとつが可愛くて「オリーブグリーン」とか、ベージュの「ワイマラナーブラウン」は犬の名前だったり、「シャルトリューズ」というお酒の名前だったり、いちいち検索しないとどんな色か分からないのだけど、そこも楽しいです。
中には「フィルズグレー」というのがあって、「えっ!フィルさんのグレー!?」と驚くことも(笑)。不透明のガラスって、日本にはあまりなじみがなかったと思いますが、その色たちに出会ったときに「使いたい!作らなきゃ!」と思ったんです。
アイデアの源泉は「洗濯物」
たとえば洋服なら、黒やグレーが好きな人でも、そればかりではなくて少しだけ黄色とか、赤とか、さし色を入れたいときってありますよね。それと一緒で、皆さんのテーブルの上に、こういう色のものがひとつあってもいいのかなと思います。
色のアイデアが湧くのは、日常生活の中です。特に洗濯物がわーっと溜めてある中に、自分の服や家族の服が混ざっていて、「おっ」と思った色の組み合わせからアイデアが浮かびます。そしてもうひとつのアイデアの元は、工房の床に散らばった、ガラスの切れ端たち。
ガラスを吹く最後の工程で、吹き竿からガラスを取るために端の部分を伸ばして切ります。そのときに切ったガラスが下に落ちるので、床に色見本がたくさんあるんです。
色同士が重なって、思いもよらない色になったり、新しい色が生まれたり。面白い組み合わせを見つけたら、とにかくすぐに試したくなってしまうんです。
思いついたものを作ることに集中してしまうので、意外と「どう使うんですか?」と聞かれると困ることもあります(笑)。でも今はInstagramのタグ付けで、買ってくれた方がどう使っているのかを見られるようになりました。自分の作りたいものを作って、それを受け止めてくれる人がいて、本当に「ありがたや……!」ですね。
今の季節はさすがに暑さが大変ですが、逆に言うと、大変なことってそれぐらいなんです。
吹いた翌日に、徐々に熱が冷めて本当の色が見えてきた器を見て、触って、光を透過させて……。そうしているうちに疲れがふっ飛びます。自分の作品に癒されてしまうという(笑)。
色にはもしかしたら、人を元気にする力があるんじゃないかと思います。ガラスという素材に好きな色をのせる楽しさに気づけたこと、そしてお客様にも好きだと言ってもらえることが、本当にありがたくて、もう「色サマサマ」だなあ!と思っています。
このインタビューは「TOKYO TEA JOURNAL」VOL.28に収録されています。
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デスクの上のごちゃごちゃしたものを仕舞いたくて購入しました。とても美しいうえに、蓋の開け閉めにはストレスが全くなく、サイズの微妙なズレなどもありませんでした。おにぎりやサンドイッチもいいなぁと色々想像が膨らんでいます。
私はお菓子を入れるのに購入しました。まるで宝箱です😊好きなお菓子を詰め込みたいです。余ったスペースには紅茶のティーパックも入れました。いい気持ちです。
口に当たる部分が少し湾曲していて、口触り(?)が良いところ、透明急須一杯分がぴったり注げる大きさなところ、がとても気に入っています。
テラを購入しましたが、淡い水色のお茶やヨーグルトがよく合います。とても可愛らしくて、他の色も揃えたいです。
大事に使います!
買うかどうか迷っているうちに、もう何年も経ってしましました。二級品があると知り、即購入しました。どこが二級品なのか分かりません。家族も気に入ったので追加購入するつもりです。
温暖化の影響でハッキリとした四季をあまり感じなくなりました。
この定期便申込んでからそれぞれの季節のお茶が送られてくるのでそこで四季を感じています。
定期的に届く色々な種類のお茶は、飲みきりサイズなので、一息つきたい時にうってつけ。付属のフリーペーパーに載る、届けられたお茶の情報をノートに貼り、美味しいと思ったものを記録している。次第に自分の好みが浮き彫りとなっていくのが面白い。
欲を言えばお茶の小袋に、何度のお湯で何分、という情報を明記してもらえるとありがたい。
届くたびにワクワクする内容で、毎回新しい発見があります。
味わいや産地の背景、淹れ方のコツまで丁寧に紹介されていて、お茶の奥深さを感じられました。
特に季節ごとの特集が素敵で、自宅でのティータイムがもっと豊かになりました🍵
初心者にもわかりやすく、お茶が好きな方にはもちろん、これから知りたい方にもおすすめです!
tea journalを初めてから生活に新しい彩りが増えました。
お茶と一緒についてくる読み物を読みながら、季節のお茶にどんなおやつに料理を合わせようか、どんな茶器を合わせようかと考える時間がすごく楽しいです。
お茶を飲んでゆっくりする時間を与えてくれるtokyo tea journalが私は好きです。
あまり銘柄に意識がなかった中、ふと「美味しいなあ、このお茶…」とパッケージを見たら長崎・彼杵のお茶で実は祖母がいた土地のものだと知り驚きました。こんな名産がある所だったとは。届くお茶はどれも美味しく、ゆっくり味わいながらお茶を飲むのが贅沢な時間になりました。いつもありがとうございます。
毎朝、煎茶を淹れて職場に持っていくんですが、これまで知らなかった銘柄が毎月届くので本当に楽しみで仕方ありません
煎茶も勿論ですが、ほうじ茶や烏龍茶などもとても美味しく頂いています
これからも毎月楽しみにしています
小袋 お茶 3個付いてお茶の飲み方「ふーんこんな飲み方があったか?」次やってみようか、これは面倒じゃなどと読み終わりの方にお菓子の話し出てくるんだけどこれが好き!
レモングラスも煎茶も大好きなので購入しました。予想以上に香りも良く美味しくて、毎日いただいています。缶のデザインも爽やかでオシャレ。詰め替えはあるのかしら?リピートします。
shopで水出し試飲させていただきました。
購入し、自宅で水素水で一晩かけ抽出。
色、香り良し、旨み甘みは冷たくても段違いに良い笑。3日目でも美味しい。
お友達も美味し〜い。の一言
綺麗な色、優しい香り、旨み甘みが大好きです。
初めて知ったのはレター便に登録して送られてきたのがきっかけでした。
適温で一定の分数で抽出後、飲んだ時の子供の表情忘れられません笑。
ぷっくりとしたシルエットが何とも可愛らしいです。木肌もすべすべしてなめらかで、触っていてとても気持ちがいいです。木のお皿が欲しいと探していましたが、いい出会いができてうれしく思います。