
わたしの茶道具「辿り着いた3つのルール。自分の触れたいものを求めて」teteria/大西進さん
2021年04月30日

by 神まどか
お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。
静岡県富士市を拠点に紅茶の販売や教室を開いているteteria(テテリア)・大西進さんの茶道具は、シンプルながらどこかキラリと光る不思議な魅力を持っています。
辿り着いた3つのルール
自分の触れたいものを求めて
私が紅茶を仕事にして20年くらい経つのですが、実は最近までティーポットを所有していませんでした。
私が紅茶に興味を持ち始めた頃、紅茶には“エレガントな小花柄のティーポットがセットアップ”という雰囲気を感じていて…私が求めているのはそういうものではないかも?と思っていました。ちょっと離れたところで自分の紅茶を楽しみたかったので、あえて距離を置いてたんですね。
紅茶をいれるツールは把手と蓋さえあればどんなものでもいいと思っていますし、もっと言うと、専らビーカー愛用者なので、把手がなくても多少不便ですが私が好きな紅茶を楽しめています。
ティーポットを持たなかった頃は、コーヒーサーバーを使っていました。気軽な紅茶を掲げるteteria(テテリア)としては、紅茶用ではないコーノ式のサーバーを使うことで、いわゆる紅茶専用具で固めなくとも生活の中で紅茶を楽しむことができるというのを知ってもらいたかったし、見てもらいたかったのです。
ティーポットに興味を持ち出したのはここ数年のこと。特に今年に入ってから知人にどんなティーポットがいいかとよく訊ねられるようになって、今までの答えの「私は使ってないし、わからない」では不親切に思えたので、ティーポットならこれ!という答えを出そうと決めて積極的に集めて使い続けました。
その中で私が出した答えは3つ。
1.毎日使いたいと思うデザイン
2.割れない強さ
3.注ぎ出した時に最後の一滴までポット内に残らない流れの良さ
そう云うわけで、辿り着いたのがこの金属製のポットです。イタリアの業務用の古物で、容量300ml、重量382g、高さ10cm、直径8.5cm。一人で飲むのに丁度いいですね。
毎日使う茶道具に関しては、自分が触れたいと思うものだけ持っていたいので、自分がしっくりくるまで探し続けるのがいい。言ってしまえば、好きなものでなければ持たない方がいいとさえ思っています。そうすることで自分のお茶がよりクリアになりますよね。
teteria(テテリア)
大西進さん
静岡県富士市を拠点に、紅茶の販売や教室を開催する。手軽に、身近に、肩肘張らずにおいしい紅茶を楽しむスタイルが人気。著書に「紅茶の絵本」(ミルブックス)がある。Instagram:@teteria.onishi
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