京都の清水寺の麓に工房を構える、陶芸家・中村譲司(なかむら・じょうじ)さん。京都精華芸術大学で陶芸を学び、卒業後は陶芸家の河島浩三氏、喜信氏に師事しました。20代後半で独立し、自身が主宰する工房「G-studio」を設立しています。
中村さんは、幅広い作風に加え、器からオブジェなど作品のジャンルもさまざま。G-studioでは3つの部に分けられ、食器や茶器など生活に身近な「陶芸部」、陶磁器によるアート作品を制作する「美術部」。そして茶道具である振出(小粒の菓子を入れる小形の菓子器)の“管蓋”と呼ばれる蓋をオーダーメイドで制作する「管蓋部」と3つの部に分けられています。
そんな中村さんの作品から今回は「茶杯」をご紹介します。
「灰釉茶杯」
近年、釉薬の原料や粘土の価格が高騰し、なかには廃番になったりするものもあるそうです。中村さんは、材料の節約ではなく、限りある資源を少しでも大切にするために、再生することの意識を大切にされています。
G-studioでは土は廃棄することなく再利用し、ろくろからでた泥水でさえも捨てずに再生土に利用しているそう。灰釉の茶器シリーズは、再生土をしたもの。再利用する土は不純物が出るので、真っ白な制作物には不向きですが、今回の茶器のような作風にはぴったりです。
茶杯はしっかりとしたサイズ感。無骨と繊細の中間のちょうど良さ、暮らしの中での使っている風景が見えるような茶杯です。底面からの立ち上がりは無釉と、釉薬のコントラストが美しいです。
30代頃まではずっとオブジェを中心に作っていたという中村さん。器の制作では、器の使われる、置かれる空間を最も重要視しているそうです。多様に変化する建築空間や日本の四季と風物。それらがインテリアや食卓に溶け込む器が、彼にとって理想の器の空間ということです。
中村譲司さんの作品一覧
作り手のことば
「偶然を意図的にコントロールできるようになれば、それは成功」陶芸家・中村譲司さんインタビュー
作品を作る工程の中で、中村さんが好きな工程と理由を教えてください。
「削り」です。「削り出し」という私の制作スタイルにとって、重要な工程だから好きですね。
器を作る上で、一番大事なことは何だと思われますか。
日々の精神状態と健康状態でしょうか。心身が整っていないと思うような制作ができません。
中村さんは、以前に「地球の命を削ってそれを材料にモノを作って生活している」と書かれていますが、やきものを制作するにあたって、サステナブルを意識して実践していることや作品に生かしていることがあれば教えてください。
当たり前のことですが、常に丁寧に作っていくことですかね。丁寧に作った結果、B品が出ることが減って、地球の命を極力削らずに作品を生み出すことができます。そのほか言葉では説明しづらいですが、作業工程において材料を無駄にしないよう気を遣っています。
中村さんは、過去に世界各国で個展を開かれていますが、作品への感想や受け止め方について、国ごとにどのような違いがあると感じますか。
急須を作りはじめてから海外のオファーが増えましたが、やはりお茶の文化のあるアジア圏の韓国・台湾・中国あたりでの反応が良いです。欧米の人たちは表面のテクスチャー、いわゆる釉薬の表情に興味があるように感じますね。
お買い物前に
・使用している土の特性上、表面に混在した小さい石が見える場合がございます。こちら使用には問題ございません。不良品ではございませんのでご了承ください。
・ひとつひとつ、手作業で型から形を起こしています。釉薬の加減や色合い、大きさなど全て同じものではございません。それぞれの表情をお楽しみください。
・同じものを複数個ご購入いただいた場合でも、サイズや釉薬が完全に揃わないことがございます。特に形は手で作られているものですので、ご了承くださいませ。釉薬に関しては、釉薬は自然物を使用しています。また、窯の中で変化する温度によって、釉薬の色が変化する場合がございます。工業品とは異なる性質のものですので、ご理解の上ご購入いただきますようお願い申し上げます。
・表面に茶色の点(黒点)がある場合がございますが、釉薬と磁土の特性によるもので、仕様には問題ございません。不良品ではございませんのでご了承ください。
・初めてのご使用の際には、必ず水かぬるま湯で洗ってください。
・お使いになった後の汚れは早めに落とし、よく乾かしてから保管をしてください。
・重ねる時は薄紙を一枚間に挟む優しさでキズがつきません。
・食器洗い機のご使用については、あまりお勧めいたしません。詰め込みすぎは破損の原因となります。ご注意ください。
・底面処理をしておりますが、もし裏返してざらざらしていたら、目の細かい紙ヤスリで軽くこすりなめらかにしておくのをおすすめいたします。
・器への染み込み=貫入(器によっては、お茶などを入れると発生します)を避けたい方は、目止めを行っていただくのがおすすめです。目止めを行わずに使用するのも、器がどんどん育っていき、唯一無二の表情を生み出します。(目止めとは、お米の研ぎ汁などで20分ほど煮沸する方法です。小麦粉や片栗粉大さじ1-2でも代用できます。)
・イメージが異なるなどお客様都合での返品は受けつけておりません。
・器には、釉薬であるガラスと土の収縮の違いによって、貫入と呼ばれるひび割れが入っています。使ってゆくうちに茶渋などが染み込み、風合いの変化を楽しんで頂けるのが粉引きの特徴です。
・器をお使いの前に軽く水にさらして頂くとあらかじめ貫入に水分が入り、食材の染みが付きにくくなります。
・器の使用後は、通気の良い場所に保管してください。
避けてほしいこと
・研磨剤・研磨剤入りの洗剤・クレンザー・金属たわし等のご使用。
(強くこすると表面に傷がつくことがありますので、ご使用は避け、柔らかいスポンジで洗ってください。)
・冷蔵庫から取り出した直後の電子レンジのご使用。
(ヒビや割れが生じる恐れがありますのでお避けください。)
・ひびや亀裂が入った時のご使用。
・テーブルがキズつく事がありますので器を引きずらないようにお気をつけください。
・作品によっては、釉薬の違いで長時間水につけておくと、シミになることがあります。長時間の放置はお控えいただくことをお勧めします。
商品仕様
原産国・地域 | 京都府 |
容量 | 約55ml |
重量 | 約63g |
外寸(横) | 約60mm |
外寸(高さ) | 約56mm |
食洗機使用可否 | 不可 |
電子レンジ・オーブン使用可否 | 不可 |
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