李朝作品のエッセンスをふんだんに取り入れて作られる、陶芸家・竹下努さんの器。静かで端正な印象がありながらも「日本の食卓に馴染むように作っている」と話します。
集めたくなる、4つの形
中学生時代の先生の影響で陶芸の世界に入った竹下さん。思わず目を引いてしまう現在の作風について伺うと、三島や粉引から、李氏朝鮮時代の白磁の魅力にたどり着いたと教えてくれました。
白磁に「冷たくて面白みのない」印象を持っていたところから深く掘り下げていくうちに、李氏朝鮮時代の白磁や、それらをベースにして作られた三島や粉引(その中でも“柔らかく土っぽい作品”)が、竹下さんの目にはとても魅力的に映ったのだそう。
今回、そんな竹下努さんの作品の中から、煎茶堂東京がセレクトした「青白磁豆皿」は4種類。「輪花」「八角」「絞り」「木瓜」は、それぞれ形とテクスチャーも異なります。
「輪花」は8枚の花弁にツヤの表面。豆皿の小さなサイズも相まってかわいらしい印象のある一品です。玉露の茶殻をこの「輪花」にのせて、粗塩を振って味わいたい。
4つの豆皿は、サイズ感も相まってどれもかわいらしい。豆皿は使い勝手がいいので、少しずつ好きな形や色のものを集めたくなってしまいます。
料理が映える豆皿は、様々な使い方が。
フードスタイリスト・鈴木愛さんに、「青白磁豆皿」のおすすめな使い方について教えてもらいました。
「バラバラで使うのもいいのですが、とても素敵な豆皿なのでおつまみの盛り合わせが思い浮かびました。」
「この「絞り」は縁が立ち上がっているので、少しなら汁気のあるものものせられます。白子に焼き目をつけたものにポン酢をかけて、「木瓜」には百合根の素揚げに塩を振っただけ。
こうして豆皿に少量盛って出すと手の込んだ感がでますが、和えるだけとか焼くだけ、揚げるだけで作れるおかずです。」
※写真右の「蓮華」は2022年8月販売予定。販売時期は予告なく変更する場合がございます。
「次は、豆皿に練り切り。小さい器と大きな抹茶椀のバランスがかわいいですよね。シンプルなデザインの練り切りに、少し装飾のある「輪花」のデザインがピタッとハマっているかなと思います。」
「また、季節の果物とジンと炭酸で一杯という時に、こういう豆皿は重宝します。
春はいちごや柑橘、夏は桃やすいか、秋はいちじく、冬は柚子やレモンとか。スーパーに並んでいる果物の果汁と果肉をそのままドリンクにしてみるのはどうでしょうか。
お皿はなんでもいいと思いますが、サイズ的には豆皿ですよね。今回はかぼすにしてみましたが、お気に入りのグラスと一緒に味わって欲しいです。」
「あとは、こんな風に晩酌のお供に小さいサイズの器を使うことって多いですよね。
ナッツにハーブ塩とスパイスを混ぜてピリ辛に仕上げました。」
「最後に紹介するのは、トッピング用に別盛りする使い方です。お茶漬けをかき込んだ後のおつけものが大好きなのですが、「青白磁豆皿」は名前の通り青みがかった釉薬なので、柴漬けを選んでみました。」
「豆皿って小さいし色々コレクションしてしまうのですが、使い道もたくさんだから好みのものに出会ったらついつい買ってしまいますね。」
作り手のことば「“日本の食卓で使えるもの”を大前提に、主張しすぎないような器づくりを」陶芸家・竹下努さんインタビュー
長野市生まれ。高校卒業後、岐阜県多治見市の多治見工業の専攻科で2年間陶芸を学び、そのまま多治見市で作陶を続ける。
元から今の作風だったのでしょうか?
今の作風になったのは多分ここ5年くらいかと思います。当時、中学校の先生が赤土の結構ざっくりした焼き物をされてたので、それの影響で最初はずっと土物を作っていました。
その中学の先生は粉引とか三島とか言われる赤土に白土を塗って模様を出したりしていて。白土で焼くのでは出ない、面白い雰囲気がでるんですよ。
それでずっと続けていたんですが、粉引や三島のオリジナルが李氏朝鮮時代、つまり韓国の昔の焼き物なんですけど、その中に僕がいまやってる白磁のものがあって。
その頃の僕の感覚では磁器ものって冷たくてカチカチしてて、面白みがないんじゃないかと勝手に思ってたんですよね。
情報が少なくて本物を見たことも触ったこともなかったのでそんなイメージを持っていたんですけど、いろいろ勉強する中で、李朝の白磁って今まで僕がイメージしてたような白磁と違うんだっていうことに驚かされたんです。
思っていたより土感があるというか……李朝時代の作品にとても柔らかい印象を受けました。それ以来ちょっとずつ作り始めてたんですよ。
それで、10年前くらいに陶器祭りに出させてもらって、そこで割り当てられたエリアを全部自分のもので埋めてみたら、「随分ちぐはぐなものをいろいろ作ってるな」ってことに気がついて。
李朝と、先生から学んだ粉引や三島からの影響が混ざってしまっていたんですよね。
その他にも影響を受けているものは沢山あって、更に学生あがりだったっていうのもあって、「あれもこれもやりたい!」って色々やってたんです。それでテントを全部もので埋めたときに、絶句するくらいぐちゃぐちゃしてたんですよ。
客観的に見なくてもめちゃくちゃすぎるっていうことに気がついて、そのときから一つに絞ろうと決めたのが5、6前ぐらいですかね。今は白い器ばかりを作っています。
お買い物前に
竹下努さんの器は、工房にてすべて手作業で作られています。工業製品の安定した完成度との違いは、手仕事のあたたかみ。また、薪窯を使用しているため画像のような風合いのある作品が生まれるのも特徴です。
これは、薪が燃えてその灰が降り落ちることで生まれるもの。灰が釉薬と溶け合うことによって、それぞれ異なった表情になります。
※灰がふりかかっているものとそうでないものがございますが、ご購入いただく際はお選びいただくことはできかねますのでご了承の上お買い求めください。
避けてほしいこと
・研磨剤・研磨剤入りの洗剤・クレンザー・金属たわし等のご使用。(強くこすると表面に傷がつくことがありますので、ご使用は避け、柔らかいスポンジで洗ってください。)
・からだき・直火でのご使用。
・ひびや亀裂が入った時のご使用。
商品仕様
原産国・地域 | 岐阜県土岐市 |
仕様・混率 | 磁土 |
重量 | 約47g |
外寸(縦) | 絞り=約80mm 八角=約95mm 木瓜=約100mm 輪花=約83mm |
外寸(横) | 絞り=約80mm 八角=約60mm 木瓜=約70mm 輪花=約83mm |
外寸(高さ) | 絞り=約15mm 八角=約15mm 木瓜=約18mm 輪花=約18mm |
食洗機使用可否 | 可 |
電子レンジ・オーブン使用可否 | 500w以下電子レンジ可・オーブン不可 |
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