「窓辺の野花」vol.04/リンドウ - TOKYO TEA JOURNAL 巻頭連載
道端や空き地、家の近くの植え込みなど、ふとした場所で目に入る季節の野花。
TOKYO TEA JOURNALの連載「窓辺の野花」では、そんな身近な草花をひとつ取り上げ、名前の由来や佇まいを、お茶の時間とともに見つめます。
vol.04/リンドウ

秋の光に映える、リンドウの青紫。その花を眺めていると、温かいお茶を淹れて、少しのんびりしたくなります。
実はリンドウは、『源氏物語』にも登場する花。「野分」の巻には、心を込めて植えられたリンドウの描写があり、平安時代にはすでに栽培されていたことがうかがえるそうです。野山に咲く花を身近に迎え、季節の移ろいを楽しむ。そんな気持ちは、千年ほど前の人たちとも通じるのかもしれません。
花瓶に生けたリンドウを眺めながら、ほうじ茶をひと口。香ばしい湯気に包まれて、肩の力もふっと抜けていきます。昔の人は、この花のどんなところに心を惹かれたのでしょう。青紫の色でしょうか、それとも、すっと伸びる姿でしょうか。答えのない想像をめぐらせながら、もうひと口。秋の午後が、ゆっくり過ぎていきます。
今おすすめの淹れ方
肌寒い日に恋しくなる、ほうじ茶の香ばしい香り。あつあつのお湯を茶葉に注ぎ、ふたをせずに30 秒待つのがポイント。湯気とともに立ち上る香りも味わって。