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「本物の抹茶を届けたい」- TOKYO TEA JOURNAL 巻頭コラム

2024年07月23日

by 神まどか

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。

TOKYO TEA JOURNALの巻頭コラムをご紹介。お茶のこと、うつわのこと、お茶菓子のこと。
私たちが企画した商品やよいと思った品に、向き合って、改めて見つめてみて思ったことや考えたことをお伝えします。

本物の抹茶を届けたい

 なるべく本物の抹茶を届けたい。伝統的な石臼碾きで作られる私たちの抹茶は、粒子が10μもの細かさになる。でも、抹茶の粒子の細かさがそんなに大切なことなのかしら?

 ……その答えはもちろんYES。ふわふわと泡立ったテクスチャ、きめ細かな舌触り、雑味のない味わいが、美味しい抹茶の証なのだ。

 今回は「おくみどり」という品種にこだわって製品化した。単一の品種、単一の産地で作られており、おくみどりの特徴である華やかな香りが味わえる抹茶だ。ただ、いたずらにシングルオリジンを推すわけではない。抹茶をブレンドする茶師の技術は非常に高く、味や色のバランスを整えて見事な作品を作る。

 簡単に言えば、色が良いけれど味が落ちるもの、味が良いけれど色が落ちるものを混ぜて、味も色も良くなる、というような感じだ。掛け合わせで良さを引き出し、素晴らしい抹茶を生み出すのだ。茶師が味わっているブレンド前の品種の特徴を味わっていただけるのも、きっとシングルオリジンの面白さだと思う。

 抹茶の味と書いたけれど、さて、“味の違い”に重きを置いて味わったことがある人はどれだけいるだろう? 茶道はその空間で得られる全体の情報や体験が重視される総合芸術である。しかしあえて、抹茶の味だけに注目してみても、その嗜好性は特筆に値する。茶道の奥深き精神性を学ぶこととは別に、抹茶の品種による違いを知ることで、身近にお茶の世界を体感してもらいたい。今後は違う品種を増やしたり、ブレンドにも挑戦してみたいと思っている。

 今更言うことではないけれど、抹茶はとても奥が深いのだ。

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