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空海が関係している? 研究者・堀江祐範さんに聞いた「後発酵茶」を巡る乳酸発酵ミステリー

2022年02月22日

by 煎茶堂東京編集部

茶葉を発酵させた「後発酵茶」は、世界でも非常に珍しいもの。そのうちの4つが日本にあり、さらに3つが四国に存在します。

愛媛県に伝わる「石鎚黒茶」を中心に後発酵茶について研究する、産業技術総合研究所の堀江祐範(ほりえ・まさのり)さんにお話を伺ったところ、このお茶には、発酵のミステリーが隠されていたのです。

教えてくれたのは…堀江祐範さん

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 くらし工学研究グループ グループ長。四国やつくばに研究拠点を置き、「100歳を健康に生きるための技術開発」という大きなテーマの下で研究を進めている。3/15〜18に行われる「日本農芸化学会2022年度大会」では、「後発酵茶:その魅力と可能性」と題したシンポジウムの世話人を務める。
https://www.jsbba.or.jp/2022/program_jsbba_symp.html

〈 謎その1 〉
なぜか四国に集中する後発酵茶

煎茶、紅茶、烏龍茶。これらすべて同じ茶葉から作られています。

紅茶は発酵、烏龍茶は半発酵と呼ばれていますが、これは厳密には発酵ではなくて「酸化」。発酵が微生物の働きによって成分が変化することを指すのに対し、紅茶や烏龍茶は、茶葉の中のカテキンなどの成分が、自身の酵素によって酸化したもの。

微生物の働きがないため、一般的な発酵とは違うものなのです。しかし、正しい意味で茶葉を発酵させたものも少ないながら存在しています。

「一般的な不発酵茶ではなく、発酵させたお茶を“後発酵茶”と呼びます。日本には富山県のバタバタ茶、愛媛県の石鎚黒茶、徳島県の阿波晩茶、高知県の碁石茶と4種類の後発酵茶があります。

バタバタ茶は糸状菌(カビ)で発酵させるお茶です。石鎚黒茶と碁石茶は糸状菌で発酵させてから乳酸発酵させるという二段階発酵を行うお茶、阿波晩茶は乳酸発酵のみで作られるお茶です。私はこの中の石鎚黒茶を中心に研究をしています」

 世界に目を向けると、中国・雲南省のプーアール茶、タイのミャン、ミャンマーのラペソー(ともに茶葉を発酵させた漬物)があるものの、やはり東南アジアの限られた地域にしか、発酵茶は存在しないのだそう。なぜ、これほど限られた地域に後発酵茶が生まれたのでしょうか。

「茶葉の生産地、山深い地域という共通点はありますが、そういう場所は他にもあるはずですから、なぜ四国に集中しているかは謎なんです。

“空海が関係している”とも言われていますが、四国ではよく分からないものは空海のせいにされてしまうので(笑)。

以前、タイの研究者に発酵茶の起源を聞いたのですが、やはり日本と同じで、その起源はよく分からないのだそうです」  

〈 謎その2 〉
その土地独自の乳酸菌の存在

阿波晩茶とほうじ茶をブレンドしたお茶

徳島県で作られる阿波晩茶と、隣の愛媛県で作られる石鎚黒茶。それぞれを発酵させる乳酸菌は、作られる地域によって微妙に変わるのだといいます。

「はじめ、それぞれの乳酸菌が違うのは製法の違いによるものと考えられていました。でも阿波晩茶でも、作られる地域によって主な乳酸菌が変化することが分かったんです。もともとお茶を作っていた南側の地域で作られたものと、比較的最近に西側で作られるようになったものでは、働いている菌が違う。

しかも、この西側で発見された菌は、石鎚黒茶と同じ菌だったんです。これらは兄弟のようなもので、非常によく似た菌です。遺伝子レベルで比較すると違うというぐらい。でも、それだけよく似た菌ですからどちらが優位になってもおかしくないはず。

でも、優位になる菌は地域によって必ず決まっています。これはその土地に根づく、地場の乳酸菌があるということではないかと考えています。地場の菌というと、お酒の酵母が有名ですよね。同じように、乳酸菌にもその土地独自のものが存在しているのだと思います」

〈 謎その3 〉
乳酸菌はどこからやってくる?

ぬか漬けやヨーグルト、ザワークラウトなど、身近な存在である乳酸発酵。しかし、乳酸菌がどこからやってくるのか、というのは、未だに謎なのだそう。

「後発酵茶は、発酵させる前に蒸したり、煮たりすることで一度茶葉を殺菌しています。そのため茶葉にもともと菌が付着しているということもありません。それでも、発酵させているとどこからか乳酸菌がやってくるんです。

道具を調べてみたこともあるのですが、発酵茶は夏にしか作らないので、使っていない時期には道具はきれいに洗って天日干ししているためにやはり乳酸菌はおらず、道具からということもありません。それなのに毎年決まった種類のものがきちんと発生するんです。

だから“乳酸菌がどこから来るのか?” は今後の大きな研究テーマのひとつでもあります」

 堀江さんの研究の目標のもうひとつの主題として、後発酵茶に含まれる健康成分を調べること、そしてその成分を生み出す乳酸菌を二次利用するという試みがあります。

「後発酵茶はやはり乳酸が多いため、整腸作用が期待できます。そして発酵茶の特徴的な成分が“GABA”です。寝つきがよくなる、リラックスする成分としてサプリなどでも知られていますね。石鎚黒茶から分離した乳酸菌は、このGABAを作る能力が高いという報告もあるんです。

後発酵茶は酸味があって独特の風味がありますが、そのさわやかさが好きだという人もいるので、まずは“こういうお茶があるんだ”ということを知ってもらえたらと思います。

また今後は、理系の研究者だけでなく、文化人類学の研究者の方とも協力していくことで、発酵茶の起源や歩みも含めて、より深く解明していければと考えています」

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美しくてワクワク

デスクの上のごちゃごちゃしたものを仕舞いたくて購入しました。とても美しいうえに、蓋の開け閉めにはストレスが全くなく、サイズの微妙なズレなどもありませんでした。おにぎりやサンドイッチもいいなぁと色々想像が膨らんでいます。

最高です。

いつもこだわった商品を販売してくださり、大変感謝しております。他よりも早く今年も新茶が自宅に届きました。いつもより甘みが強く、爽やかな春の訪れを感じました。

かわいいし 使いやすいです

私はお菓子を入れるのに購入しました。まるで宝箱です😊好きなお菓子を詰め込みたいです。余ったスペースには紅茶のティーパックも入れました。いい気持ちです。

使い勝手のよい素敵な器

口に当たる部分が少し湾曲していて、口触り(?)が良いところ、透明急須一杯分がぴったり注げる大きさなところ、がとても気に入っています。
テラを購入しましたが、淡い水色のお茶やヨーグルトがよく合います。とても可愛らしくて、他の色も揃えたいです。
大事に使います!

とても贅沢な時間を過ごせました

お味も体験も、お値段以上の満足度です。

厚さがちょうど良く軽い。
とてもおしゃれ。

やっぱり良かった!

買うかどうか迷っているうちに、もう何年も経ってしましました。二級品があると知り、即購入しました。どこが二級品なのか分かりません。家族も気に入ったので追加購入するつもりです。

とても飲みやすい抹茶

点てやすく、味も飲みやすい抹茶です。

TOKYO TEA JOURNAL
けい さいとう
いつも美味しくいたたいてます。

毎月3種類のお茶が楽しめて、気に入ったお茶をリピートして購入しています。ホッとしたい時にゆっくり時間をかけて楽しんでいます。

季節を感じる

温暖化の影響でハッキリとした四季をあまり感じなくなりました。
この定期便申込んでからそれぞれの季節のお茶が送られてくるのでそこで四季を感じています。

試着のように飲めるお茶

定期的に届く色々な種類のお茶は、飲みきりサイズなので、一息つきたい時にうってつけ。付属のフリーペーパーに載る、届けられたお茶の情報をノートに貼り、美味しいと思ったものを記録している。次第に自分の好みが浮き彫りとなっていくのが面白い。
欲を言えばお茶の小袋に、何度のお湯で何分、という情報を明記してもらえるとありがたい。

お茶がますます好きになりました。

届くたびにワクワクする内容で、毎回新しい発見があります。
味わいや産地の背景、淹れ方のコツまで丁寧に紹介されていて、お茶の奥深さを感じられました。
特に季節ごとの特集が素敵で、自宅でのティータイムがもっと豊かになりました🍵
初心者にもわかりやすく、お茶が好きな方にはもちろん、これから知りたい方にもおすすめです!

TOKYO TEA JOURNAL
美子 冨永
毎月楽しみ

毎月、美味しいお茶が届くので楽しみにしています
ポスト投函なので、なかなか帰省できない
実家にも送っています
同封の冊子も、いつもとても綺麗です

TOKYO TEA JOURNAL
望加 大塚
彩り

tea journalを初めてから生活に新しい彩りが増えました。
お茶と一緒についてくる読み物を読みながら、季節のお茶にどんなおやつに料理を合わせようか、どんな茶器を合わせようかと考える時間がすごく楽しいです。
お茶を飲んでゆっくりする時間を与えてくれるtokyo tea journalが私は好きです。

いつも楽しみにしています

あまり銘柄に意識がなかった中、ふと「美味しいなあ、このお茶…」とパッケージを見たら長崎・彼杵のお茶で実は祖母がいた土地のものだと知り驚きました。こんな名産がある所だったとは。届くお茶はどれも美味しく、ゆっくり味わいながらお茶を飲むのが贅沢な時間になりました。いつもありがとうございます。

TOKYO TEA JOURNAL
幸博 渡部
毎月、楽しみ

毎朝、煎茶を淹れて職場に持っていくんですが、これまで知らなかった銘柄が毎月届くので本当に楽しみで仕方ありません
煎茶も勿論ですが、ほうじ茶や烏龍茶などもとても美味しく頂いています
これからも毎月楽しみにしています

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秀文 永洞
お茶

小袋 お茶 3個付いてお茶の飲み方「ふーんこんな飲み方があったか?」次やってみようか、これは面倒じゃなどと読み終わりの方にお菓子の話し出てくるんだけどこれが好き!

TOKYO TEA JOURNAL
亮 行安
お茶で季節を感じる色の提案

毎月楽しみにしています
お茶だけでなく色々な食べ物との季節を感じるマリアージュの提案が素敵だと思います😀

可愛い

何をのせても絵になります。お茶の時間が楽しくなりそうなマグカップやスプーンなど、入江佑子さんの器のお取り扱いをもっと増やして欲しいです。

とても素敵です

再入荷を心待ちにしていたので、手にできてとても嬉しいです。小ぶりなサイズ感も良くて、日本茶だけでなく中国茶にも合いそうです。大切に使います。

爽やかで初夏にぴったり

レモングラスも煎茶も大好きなので購入しました。予想以上に香りも良く美味しくて、毎日いただいています。缶のデザインも爽やかでオシャレ。詰め替えはあるのかしら?リピートします。

色原昌希さんの綺麗なポット

とても綺麗なポットです。
さらさらとした質感、柔らかな白、形は可愛らしく、持ち手も持ちやすいです。

水出し買って良し。

shopで水出し試飲させていただきました。
購入し、自宅で水素水で一晩かけ抽出。
色、香り良し、旨み甘みは冷たくても段違いに良い笑。3日目でも美味しい。
お友達も美味し〜い。の一言

私には極上

綺麗な色、優しい香り、旨み甘みが大好きです。
初めて知ったのはレター便に登録して送られてきたのがきっかけでした。
適温で一定の分数で抽出後、飲んだ時の子供の表情忘れられません笑。

朝パンが楽しみになります

ぷっくりとしたシルエットが何とも可愛らしいです。木肌もすべすべしてなめらかで、触っていてとても気持ちがいいです。木のお皿が欲しいと探していましたが、いい出会いができてうれしく思います。