
〈 墨で、あらわす。〉黒一色の中に七色の表現がある。墨で表現する5人のアーティスト
2022年01月29日

by 煎茶堂東京編集部
茶道と並ぶ日本の伝統文化である書道、そしてそれを生み出す「墨」の魅力。
お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」で特集した「墨の表現力」では、「墨を、つくる。」「墨で、書く。」「墨で、あらわす。」の3つの視点から見た墨について特集しました。
今回は、「墨で、あらわす。」について、墨を使った作品を生み出す5名のアーティストをご紹介いたします。
黒一色の中に七色の表現がある。墨で表現する5人のアーティスト
01/杉浦晴香 Haruka Sugiura
「TOKYO TEA JOURNAL」VOL.33で、表紙の「TOKYO TEA JOURNAL」の文字と特集タイトルを書いてくれた杉浦晴香さん。
「書くことの日常化」とし、“葉々(ようよう)”としてもの作りを行なっています。さまざまな墨の表情を切り取ったカレンダーのほか、便箋と封筒も制作しています。
この作品は書き損じの紙が図柄のように見えるものを切り取って残しておいたのがきっかけとなり、製作をはじめた作品。
思うままに線を書き、その中で特に魅力的な部分にフォーカスして切り取ったり、パーツを組み合わせたり。日常の中に取り入れやすい、墨を使った作品づくりを目指しています。
Instagram : @sugiura_haruka
02/間芝勇輔 Yusuke Mashiba
雑誌、書籍、CDジャケットなどさまざまなメディアで活躍するイラストレーター・間芝勇輔さんによる作品集『I’M HERE.』。一見版画のようですが、すべて筆を用いて、墨で描かれています。
よーく見ると、それぞれのモチーフに墨の濃淡や筆の跡による表情が加わっていて見飽きません。かわいらしくもどこか怪しくてユーモラスな100点余りの作品とともに、8ページのストーリーも収録。
『I'M HERE』購入はこちら:https://sunnyboybooks.net/items/5e16f8dc6c7d6314ea9fc872
03/森泉岳土 Takehito Moriizumi
詩情あふれる独自の世界を、繊細な絵で描き出す漫画家の森泉岳土さん。その作画法はまさに独特で、まず紙の上に水で絵を描き、そこに墨を落として爪楊枝や割り箸を使って線を引いています。
墨の自然な濃淡と、均一ではない線が、現実と夢の「あわい」のような世界を生み出しています。
最新作『アスリープ』(発行:青土社)は、かつて首都だった大都市に取り残された女性の物語。墨で描かれた、廃墟の街。そこにあらわれる微かな希望が、先の見えない今の世を照らす光のよう。
Twitter:@moriizumii
04/大日本タイポ組合 Dainippon Type Organization
文字を解体したり、組み合わせたり……新しい文字の概念を探るタイポグラフィーユニット・大日本タイポ組合。実は現代日本を代表する書家・石川九楊さんと師弟関係にあるそうです。
そんな彼らが2017年に発表した絵本が『なんでももじもじ』。「はなこ」「たろう」「いぬ」「ねこ」など、墨で描かれた文字が、さまざまな「もの」の形を描き出していきます。
公式サイト:https://dainippon.type.org/
05/TAISHI
サロンワーク、ヘアメイクとして活動するかたわら、書道家としても作品を発表しているTAISHIさん。自由かつスタイリッシュな作風が「これも書?」と驚きをもたらしてくれます。
書の魅力について「筆と墨でしか出せない唯一無二のかすれは、その時だけに出会える特別な魅力です」と語ってくれました。
公式サイト:https://www.taishikato.net/
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