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日常に、陽だまりのような優しさと温もりを。堀宏治さんの木の器とカトラリー

2025年01月02日

by 煎茶堂東京編集部

長崎県佐世保市にアトリエを構える、木工作家の堀宏治(ほり・こうじ)さん。複雑に入り組んだリアス海岸や、大小の島々からなる佐世保の美しい風景を時折眺めながら、作品をつくり続けています。

日々の暮らしに温かさを添えてくれる堀さんの木製のテーブルウェアから、今回は「木の葉」「ふたまた」「フォーク」「スプーン」「深四角盆」をご紹介します。

堀さんの作品を目の前にすると、彫りの繊細さに驚かされます。流れ、リズム、息づかい。彫刻刀でシャッシャッと彫る音が今にも聞こえてきそうです。

「木製の食器や道具は素敵だけれど、お手入れが難しそう」という声を、ときどき耳にします。でも、ご安心を。堀さんの作品はプレポリマー(木固め材)を染み込ませて乾燥させたあと、仕上げに食用の油が塗り込まれています。

よほどの汚れでなければ水やぬるま湯でスポンジ洗いをするだけで大丈夫。洗ったあとはふきんで拭き、しっかり乾かしましょう。もちろん経年変化はありますが、育てるような気持ちでお楽しみください。

食卓に温もりを添える「木の葉」と「木の葉 茶托」

葉脈のように流れる繊細な彫り跡に目を奪われる「木の葉」。素朴で優しい木のぬくもりと、生命力が感じられます。

横から見ると船のような形をしていますが、底面はフラットなので安定感があります。

大きいほうは、長さは約22cm、幅は約10cmで、カップとお茶菓子を一緒に載せてみても。ひとりのお茶時間のお供にいかがでしょうか。

他にもアクセサリー小物の定位置としてみたり、さまざまな使い方ができそうです。

小さいほうは、「茶托」にどうぞ。木の色に緑茶がよく映えます。木の葉というモチーフの愛らしさに、会話も弾みそうです。

シンプルな中に宿る、美。「ふたまた」

羊羹やフルーツなどをいただくときに使いたい「ふたまた」。深みのある色が落ち着いた印象です。

無駄のないシンプルなデザインですが、爪先は細く、間も広く開いているので、食べ物をしっかりととらえられます。

手に持つとふわりと空気のように軽いのも、木工作品ならでは。口に含んだときの金属の冷たい感じが苦手、という方にもおすすめです。

優しさを感じる「フォーク」と「スプーン」

絵本の世界にでてきそうな、愛らしいフォルムの「フォーク」と「スプーン」。スープ、パスタ、サラダ……どんな料理やお皿と合わせようか、眺めているだけで楽しい気持ちになります。

フォークはカーブが深く、リゾットやショートパスタなどがすくいやすくなっています。

スプーンを近くで見てみると、横方向に彫ってあることに気づきます。スープの具材などをすくったときに、流れ落ちにくいように感じました。

裏はツルツルとした仕上がりになっているので、口当たりはなめらか。堀さんの細やかな心遣いに、心まで温まりますね。

懐かしさにホッとする「深四角盆」

一枚の木からつくられた「深四角盆」。緩やかなピッチで彫られた跡が、懐かしさにも似た安心感をもたらしてくれます。

深く落ち着いた色合いから、渋さや力強さを感じますが、四つ角が丸くなっていたり、角がなめらかになるように落とされているのを見ると、親近感がわいてきませんか?

黒に近い木の色合いは、白や明るい色の食器がよく映えます。けれども、調和して見えるのは木工ならでは。

「縁側で使いたくなる」ことをイメージして、作品づくりに向き合っているという堀さん。かしこまりすぎず、日常を楽しむ道具として迎えてみると、いつもの食卓に穏やかで優しい時間が流れることでしょう。

堀宏治さんの作品

フードスタイリスト・鈴木愛

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