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作り手のことば「真鍮は手入れが必要だからこそ、道具との濃密なつながりを感じられる」金工作家・須原健夫さんインタビュー
2024年07月05日
by 煎茶堂東京編集部
東京で彫金を学び、現在は兵庫県宝塚市にある工房で、真鍮のカトラリーを中心に制作活動を展開する須原健夫さん。全国のクラフトフェアへの出展、ギャラリーなどでの展示も積極的に行い、真鍮(しんちゅう)を使った作品の魅力を発信し続けています。
今回、煎茶堂東京で須原さんの作品をお取り扱いするにあたり、須原さんのお人柄、作品や真鍮での作品づくりに対する想いなどを伺いました。
須原さん、今回はよろしくお願いします。まずは、簡単なプロフィールを教えていただけますか。
よろしくお願いします。私は、1978年に大阪府で生まれ、2002年から東京で彫金を学び始めました。当初は、目黒に工房を構えてジュエリーを制作していたのですが、2008年からカトラリー制作をスタートしています。「クラフトフェアまつもと」など、全国のクラフトフェアに出展し始めたのもこの頃です。
2009年に東京都青梅市へ工房を移転し、現在の「yuta」という名前を冠しました。その後、大阪府箕面市へ工房を移転したのち、2023年に兵庫県宝塚市へ再移転。現在に至っています。
真鍮という素材の魅力や、真鍮にしか出せない質感や味とはどのようなものだと思いますか。
使うほどに表情が移り変わっていく、深い色艶に魅力を感じます。
時が経過すると色艶が変化していくので、場合によっては手入れも必要になります。ただ、手入れが必要だからこそ、手入れのいらない道具にはない、道具と人との濃密な関わりを感じることができるというのも真鍮ならではの良さではないでしょうか。
それまでジュエリーを制作していた中、真鍮でカトラリーを作ることになったきっかけは何だったんですか?
ジュエリーの制作を始めてから、美術、工芸などを学んでいく過程で民藝と出会ったことがきっかけです。生活に必要な道具を素直に作ることで自ずと生まれてくる「用の美」を直接的に表現したいという思いから、暮らしの道具を作るようになりました。
その際、古い金属の道具に見られるような経年変化を表現したいと思って、真鍮という素材を選びました。カトラリーを作るに至ったのは、金属を使った一番身近な生活道具だと考えたからです。
現代の装飾主体のジュエリーに対し、民藝は生きることに直結するような力強さや、無駄の少ないかたちが魅力です。
とはいえ、ジュエリーでも民藝に見られるような美しさを表現することは可能だと思っているので、そちらも少しずつかたちにしていきたいです。
須原さんの作品からは精緻で洗練された、シンプルな造形美を感じます。手作業でこうした作品を作るにあたって、こだわっていることがあれば教えてください。
静かな美しさを表現できるよう、正確さの中にもかすかな「揺らぎ」を感じられるものづくりを心がけています。
ちなみに、須原さんの工房名「yuta」には、どのような意味や想いが込められているのですか?
自分にとっての豊かさは、現代的な豊かさから少し足りないところにあると思っています。その想いを表現するために「yutaka(豊か)」から、1文字取って「yuta」としました。
作品を作る工程の中で、須原さんが好きな工程と理由を教えていただけますか。
制作している最中に、その工程自体が好きという感覚は特にありません。
特定の工程というのではなくて、「かたち」が生まれる時、これから何かを作ろうと思案する時、日々活動している中でものづくりについて思っている時などが好きです。
作品を作るとき、何かインプットはありますか?
「これがインプット」というより、日々観るもの、感じることのすべてがインプットになっていると感じています。
カトラリーを作るにあたって一番大事なことは何だと思いますか?
使いやすさ、もしくは道具としての美しさです。
最後に、今後挑戦してみたいことはありますか?
いろいろあるのですが…形になったとき、あらためて皆さまにお伝えできればと思っています。