
お茶の時間をもっと美しく。李荘窯の白磁の器
2023年05月04日

by 煎茶堂東京編集部
古くから有田焼で知られる佐賀県有田町で、1930年に創業した李荘窯(りそうがま)。伝統と品質を守りながらも、新しいエッセンスを取り入れ、時代に左右されない器づくりを続けています。
今回は、そんな李荘窯の作品「T宝瓶」「薄盃」「渕反深仙茶」「木瓜型天塩皿」の魅力や、おすすめの使い方をご提案します。
美味しいお茶を淹れるなら。「T宝瓶」
有田焼といえば華やかな絵付けをイメージする人も多いかもしれませんが、今回お取り扱いするのは、李荘窯のなかでもシンプルで真っ白な白磁の数々。
その代表的な作品のひとつが、こちらの「T宝瓶」です。宝瓶(ほうひん)とは持ち手のない急須のこと。低温でじっくり茶葉のうまみを引き出したい、玉露や煎茶などの抽出に適した茶器と言われています。
内側には茶漉しの役割をする溝が掘られているので、茶葉を漉しながら注ぐことができ、最後の一滴まで楽しめるのも特徴。持ち手がないため、コンパクトに保管できるのも愛用者が多い理由です。
重ねた姿も美しい。「薄盃」
「T宝瓶」にあわせて使いたいのが、この「薄盃」。飲み口が薄く作られているので口当たりがよく、日本茶はもちろん、お酒などを飲んでも心地いい時間に。
磁器は薄く繊細ながらも、ガラス質の原料を含んでいることで耐久性があるので、見た目よりも丈夫なのも魅力です。
また、「薄盃」大・小は、重ねることができるので収納にも便利。しかも「T宝瓶」のなかに入れ子で収めることもできるので、揃えて持っていても場所を取りません。
「T宝瓶」と「薄盃」があれば、自分だけの“小さなお茶セット”が完成。つるんとした形は洗浄や手入れもラクなので、一人でも二人でも、お茶の時間がもっと身近になりそうです。
すっとした佇まいの「渕反深仙茶」
気分によって、お茶を飲む器を変えてみるのもおすすめです。「薄盃」よりも細長いシルエットの「渕反深仙茶」は、すっきり上品な佇まい。
こちらも「T宝瓶」とあわせて置くとバランスがよく、セットで揃えたくなる一品。深さがあるので、小さな汁椀のように使ってもいいかもしれません。
小さいながらも存在感あり。「木瓜形手塩皿」
「木瓜(もっこう)形手塩皿」は、ちょこんとお茶請けをのせるのにぴったりな小皿。
この木瓜形手塩皿は、有田にある九州陶磁文化館という博物館の所蔵品を3Dスキャンし、型に写して作られたもの。400年の歴史のどこかでつくられたものを現代でも使えるなんて、ロマンを感じずにはいられません。
そんな木瓜形手塩皿は、単調なテーブルにもアクセントを加えてくれるはず。しょうゆ皿や薬味皿としても使えます。
うっすらと見える草花の模様が美しく、そのまま置いておいても存在感は抜群。インテリアやアクセサリートレイとしても活躍しそうです。
「美味しいお茶を淹れる道具と、シンプルで機能性のある器を作りたかった」と4代目当主の寺内信二(てらうち・しんじ)さんが語るとおり、李荘窯の白磁は、置いておくだけでも美しい美術品のよう。ぜひ実際に手に取って体感してみてください。
李荘窯の作品
フードスタイリスト:鈴木愛
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