
【私の茶道具】鶴岡の川の石 − 煎茶堂東京デザイナー 神まどか
2023年03月29日

by 神まどか
煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。最近の趣味は中国茶と茶道具収集です。
お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。
煎茶堂東京デザイナーの神は、見立ての道具について教えてくれました。
鶴岡の川の石
いつも仕事では煎茶をご紹介していますが、中国茶も好きでよく飲みます。小さな茶杯や茶壷、蓋碗など集め出したら更に楽しくなり、インターネットや古道具店で使えそうなものを見つけては迎えています。
これは、一見、ただの石ですが(よくよく見てもただの石ではありますが…)私は茶通しを置く時に使っています。お気に入りの古道具店の中をグルグル何周も回っていて、ふとした拍子に目につきました。
広いお店ではありませんが、一周しただけだと見落としてしまうこともあるので、何周も何周も見て、その度に初見ではピンと来ていないものが急によく見えたり、見たと思った場所に新しいアイテムを見つけたり…。それも古道具のお店を見る楽しさの一つだと思います。
一応、これも売ってますか?と聞くと、新潟と秋田の間の鶴岡の川で拾ったものだと教えてくれました。
小さい頃は無性に石が好きで集めては母に捨てられていたのですが、その時に惹かれた石の風合いとはまた違う、滑らかでさらさらとした質感と、色んな場所を通ってきたであろう痕跡をじっと見ていると、なんだか心が落ち着いてくるのが自分でもわかりました。
最初は蓋置にいいかなと思ったのですが、蓋置にするには形が合わず、それ以来は茶通しとして愛用しています。
煎茶堂東京デザイナー
神まどか
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青森県生まれ。煎茶堂東京デザイナー、ディレクター。 |
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