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作り手のことば「器の姿が生まれる前の土の塊は完成品より美しく見える」陶芸家・古谷宣幸さんインタビュー
2022年11月11日
by 煎茶堂東京編集部
信楽を代表する陶芸家のもとに生まれ、自身も信楽焼の道を極める古谷宣幸(ふるたに・のりゆき)さん。「献立から器を考える」という信条の通り、生活に密接した器作りと研ぎ澄まされた佇まいが魅力です。
今回は、煎茶堂東京でのお取り扱いに伴い、伝統に敬意を払いながらも自分の表現を追求する古谷さんに、器づくりについてお伺いしました。
古谷さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、器を作ることになったきっかけを教えてください。
祖父の代から陶芸家で、子どもの頃から焼き物に慣れ親しんでいたことが大きいと思います。高校ではデザインを学び、大学で本格的に陶芸を学び始めました。
器作りをする上では、大学卒業後に唐津の隆太窯で出会った中里隆先生から受けた影響が大きいですね。
全国の窯元を訪ねて学びを得たという古谷さん。作品を作る工程の中で、好きな工程と理由を教えてください。
やはりロクロ成型です。土の塊から器の姿が生まれる事がまず一番の始まりで、そのみずみずしい姿は焼かれた完成品より美しく見えるほど。もちろん全てが決まる窯出の瞬間も好きです。
信楽で生まれ、陶芸一家という環境で育った古谷さんですが、自身の作品は色味を抑えたシンプルなものが多く、いわゆる信楽焼とは一線を画して独自の存在感を放っています。ご自身の作陶のルーツはどういった点にあるのでしょうか?
信楽焼の特徴は穴窯焼成による信楽の粘土を無釉で焼き締めたもののイメージといった感じでしょうか。ただ、生まれも育ちも信楽ですが、昔ながらの信楽焼きにはあまり手を出していないんです。
祖父の代では植木鉢や汽車土瓶、父の信楽、伊賀の茶陶が身近にある中で育ち、間違いなく自分の気付かないところで影響を受けていると思いますが、僕の技法は、俗に言われる信楽焼とは異なります。
どちらかといえば師匠である中里先生が唐津で作陶していたので、唐津や中国、李朝、高麗系の焼物を意識することが多いです。今回の粉引に関しても、朝鮮半島からのルーツになりますね。
技法や表現の幅を限定せず、貪欲に作陶を続けてきた姿勢が、凛とした器に現れているように感じます。作品を作るときのインプットはありますか?
古い作品も見ますが、別素材の作家さんや音楽関係の友人、アーティストの方と交流できる事がなによりの刺激になります。表現を生業にするという点において、陶芸に限らず、さまざまなことから吸収する姿勢を大切にしています。
器を作る上で一番大事なことは何だと思いますか?
料理への余白と主張し過ぎない事でしょうか。器が、日々の食卓を支える存在として、豊かな暮らしの一部になったらうれしいですね。
最後に、今後挑戦してみたいことはありますか?
これまでの作品でもいろいろと試していますが、黒釉のレパートリーをさらに広げたいと思っています。あとは庭に小屋を作ることにハマっているので、ゆくゆくは茶室なども自力で建ててみたいですね。