〈 今月の表紙 〉日本の、黄色いモンブラン。 - VOL.89(2026年9月発行号)
お茶の定期便『TOKYO TEA JOURNAL』の巻末『今月の表紙』をご紹介。毎月、イラストレーター・土居香桜里さんの素敵なイラストにちなんだ小話を掲載しています。
日本の、黄色いモンブラン。

モンブランと聞いて思い浮かべる色は、茶色でしょうか、それとも黄色でしょうか。
今ではどちらも一般的ですが、実は栗の甘露煮を使った黄色いものが主流だった時代があります。西洋栗より黄色みの強い和栗を使ったこと、そして当時は黒っぽいマロングラッセが敬遠され、職人があえて黄色く仕上げていたことが背景にあるのだとか。
1984年、銀座にフランス仕込みの茶色いモンブランが登場して以降、ようやく両者は並び立つように。この素朴な黄色いモンブランは、実は日本だけの独自進化の産物だったのだと知り、少し誇らしい気持ちになりました。
時たま、ショーウィンドウに控えめに並ぶ、懐かしい味わいの黄色いモンブランが食べたくなります。
文=神まどか
イラスト=土居香桜里