「窓辺の野花」vol.02/桔梗 - TOKYO TEA JOURNAL 巻頭連載
道端や空き地、家の近くの植え込みなど、ふとした場所で目に入る季節の野花。
TOKYO TEA JOURNALの連載「窓辺の野花」では、そんな身近な草花をひとつ取り上げ、名前の由来や佇まいを、お茶の時間とともに見つめます。
vol.02/桔梗

桔梗というと、整った星形の花から庭で大切に育てられる様子を思い浮かべる。けれど、もともとは日当たりのよい山野の草地に自生する野花だ。
すっと伸びた細い茎の先に、青紫の花が一輪。風が吹けば頼りなげに揺れる姿には、庭の花とはまた違う、野の趣がある。秋の七草のひとつとして知られているが、花が咲き始めるのは初夏から。茶席でも夏から秋にかけて用いられ、野にある姿を写すように、籠の花入などへ控えめに生けられる。端正な花でありながら、細い茎や尖った葉には素朴さが残り、茶花によく似合う。
かつては各地の草原で見られた桔梗も、草地が減った今、野生のものは絶滅が懸念されているという。身近な花に見えて、野に咲く姿はもう珍しい。竹の花入に一輪挿し、冷たいお茶を飲んで、自然の姿を想像した。
今おすすめの淹れ方
暑い日に飲みたい、急冷茶。温かく淹れた一煎目と二煎目を氷で一気に冷やし、合わせるだけで完成します。甘みとほどよい渋みが重なり、爽やかな後味に。