
津軽三味線が弾き出す熱い音色の理由はそのルーツにあった。独自の発展を遂げた歴史と流れとは?
2020年11月12日
伝統と革新。津軽三味線の歴史は、その相反するふたつの言葉から成り立っています。中国から伝わり、室町時代に今の形となった三味線という伝統楽器。それが東北に伝わり、津軽三味線というジャンルが確立していったのは、明治の初期と考えられています。津軽三味線の歴史は150年ほど。伝統芸能としては、まだまだ新しいジャンルでもあります。
VOL.19(11月号)のお茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」では、津軽三味線の魅力について特集。7歳で佐々木光儀流日本民謡三弦入門し、NYカーネギーホールで演奏するなど、国内外でさまざまなジャンルとのセッション経験を積む津軽三味線奏者・久保田祐司さんに、ストリートで生まれた、自由な音楽としての津軽三味線の魅力、そして久保田さんが演奏を続ける理由についてお話を伺っています。
今回は、津軽三味線が生まれた経緯やその背景にある歴史、津軽三味線を聴いてみたい方へ向けたおすすめの楽曲をご紹介!バチを叩きつけるように激しく演奏する津軽三味線は奏者によって変わる音色も特徴。風土が生み出したストリートの音楽である、津軽三味線のルーツを感じてみては。
津軽三味線の生まれとその流れ
ギターやシタール、マンドリンなど、三味線に形状が似た楽器は世界中に存在します。三味線のルーツと考えられる楽器・三弦がどのように日本に渡り、そして国内で変化していったのか。その歴史の流れをご紹介します。
中国の伝統楽器「三弦」がルーツ
中国の秦代(紀元前221〜206年)に演奏されていた楽器「弦鞀(シェンダイ)」が変化し、元代(1271〜1368年)に「三弦(サンシエン)」と呼ばれるように。これが1390年頃に琉球に伝わり、コンパクトな楽器「三線」となり、今も民謡などの伴奏に使われています。
この三線が貿易船によって、室町時代後期に大阪の堺をはじめとした西日本にもたらされました。浄瑠璃や歌舞伎の伴奏に使う「三味線」として、庶民の間に広まっていったのです。
![]() |
三弦(サンシエン) 長い竿が特徴の三本弦の楽器。戯曲や歌の伴奏として使われることが多い。 |
![]() |
三線 三弦と同様に蛇の皮を張っている。音は三味線よりも太くて重い 印象。 |
![]() |
三味線 演奏にバチを使うのが特徴。長唄や歌舞伎に使うものは「細棹」と呼ばれる。 |
独自の発展を遂げた津軽三味線
瀬戸内海から北海道の松前まで、日本海側を航海していた北前船。各地で積み込んだ積み荷を売買する貿易船ですが、商品だけでなく文化を伝える役割も担っていました。西の楽器だった三味線が、北国に伝わり民謡にも変化をもたらしたのです。
津軽三味線は即興演奏が基本のため、譜面も、文献も残っていません。その発祥や歴史に関して、はっきりわかっていない点が多々ありますが、原型は新潟県で活躍した瞽女(ごぜ・目が不自由な女性芸能者)の楽曲だと考えられています。
それが津軽のボサマ(目が不自由な男性旅芸人)に伝わり、家々の軒先で三味線を弾き米やお金を受け取る「門付け芸」として広まっていきました。演者たちは他の人よりも目立とうと音を大きくし、速弾きのテクニックを磨いていきました。そのために三味線自体は大きくなり、バチは小回りが利くように小さく変化していったのが、今の津軽三味線なのです。
津軽三味線、この人を聴け!
もともと即興で演奏されていた津軽三味線は、弾き手によって音色がさまざまに変化するのが魅力のひとつ。伝説の名人から、今第一線で活躍する演者まで聴き比べてみるのもおすすめです。
津軽三味線の魅力を広めた昭和の名人・高橋竹山
幼い頃に病気で視力をほぼ失い、三味線で門付けをしながら生きていたという高橋竹山。戦後は「津軽民謡の神様」成田雲竹とともに各地で興行を行い、芸に磨きをかけていく。竹山の独奏を収めたレコード『源流・高橋竹山の世界』(1963)が発売されると、民謡の伴奏だけではなく、独奏楽器としての津軽三味線の魅力が全国に知られるようになる。
70年代になると竹山のリズミカルかつパワフルな演奏が若者の心をとらえ、津軽三味線ブームともいえる人気を集めた。1986年にはアメリカ公演を行い、ニューヨーク・タイムズに「まるで魂の探知器でもあるかのように、聴衆の心の共鳴音を手繰り寄せてしまう。名匠と呼ばずして何であろう」と賛辞を寄せたという。
ジャンルも国境も超える津軽三味線奏者・上妻宏光
幼少期より数々の津軽三味線大会で優勝するなど、邦楽界では高い評価を得る。その後ロックやジャズのエッセンスを取り入れた演奏にも取り組み、ハービー・ハンコック、マーカス・ミラー、矢野顕子など、国内外のアーティストとの数多くのセッション、コラボレーションを行う。伝統から一歩踏み出し、三味線という楽器の表現の可能性を探る活動を現在も続けている。故・志村けんが唯一の愛弟子であり、2016年の「キリン氷結」テレビCMでは、師弟共演を果たした。
疾走感のある演奏に引き込まれる・吉田兄弟
兄・良一郎、弟・健一から成る2019年にデビュー20周年を迎えた兄弟ユニット。2003年には全米デビューも果たし、津軽三味線の伝統を受け継ぎながらも、邦楽の枠に収まらない活動が注目を集め続けている。スピード感のある演奏が特徴で、アニメーションとのコラボや、パルクール映像のBGMなどでもその魅力を遺憾なく発揮している。
朝晩が冷えてくる寒い季節。夕暮れに明かりを落として、津軽三味線の音といつもより熱めに淹れたお茶で、心と体に滲み入る時間を過ごしてみるのもいいかもしれません。
他の記事もみる
温暖化の影響でハッキリとした四季をあまり感じなくなりました。
この定期便申込んでからそれぞれの季節のお茶が送られてくるのでそこで四季を感じています。
定期的に届く色々な種類のお茶は、飲みきりサイズなので、一息つきたい時にうってつけ。付属のフリーペーパーに載る、届けられたお茶の情報をノートに貼り、美味しいと思ったものを記録している。次第に自分の好みが浮き彫りとなっていくのが面白い。
欲を言えばお茶の小袋に、何度のお湯で何分、という情報を明記してもらえるとありがたい。
届くたびにワクワクする内容で、毎回新しい発見があります。
味わいや産地の背景、淹れ方のコツまで丁寧に紹介されていて、お茶の奥深さを感じられました。
特に季節ごとの特集が素敵で、自宅でのティータイムがもっと豊かになりました🍵
初心者にもわかりやすく、お茶が好きな方にはもちろん、これから知りたい方にもおすすめです!
tea journalを初めてから生活に新しい彩りが増えました。
お茶と一緒についてくる読み物を読みながら、季節のお茶にどんなおやつに料理を合わせようか、どんな茶器を合わせようかと考える時間がすごく楽しいです。
お茶を飲んでゆっくりする時間を与えてくれるtokyo tea journalが私は好きです。
あまり銘柄に意識がなかった中、ふと「美味しいなあ、このお茶…」とパッケージを見たら長崎・彼杵のお茶で実は祖母がいた土地のものだと知り驚きました。こんな名産がある所だったとは。届くお茶はどれも美味しく、ゆっくり味わいながらお茶を飲むのが贅沢な時間になりました。いつもありがとうございます。
毎朝、煎茶を淹れて職場に持っていくんですが、これまで知らなかった銘柄が毎月届くので本当に楽しみで仕方ありません
煎茶も勿論ですが、ほうじ茶や烏龍茶などもとても美味しく頂いています
これからも毎月楽しみにしています
小袋 お茶 3個付いてお茶の飲み方「ふーんこんな飲み方があったか?」次やってみようか、これは面倒じゃなどと読み終わりの方にお菓子の話し出てくるんだけどこれが好き!
レモングラスも煎茶も大好きなので購入しました。予想以上に香りも良く美味しくて、毎日いただいています。缶のデザインも爽やかでオシャレ。詰め替えはあるのかしら?リピートします。
shopで水出し試飲させていただきました。
購入し、自宅で水素水で一晩かけ抽出。
色、香り良し、旨み甘みは冷たくても段違いに良い笑。3日目でも美味しい。
お友達も美味し〜い。の一言
綺麗な色、優しい香り、旨み甘みが大好きです。
初めて知ったのはレター便に登録して送られてきたのがきっかけでした。
適温で一定の分数で抽出後、飲んだ時の子供の表情忘れられません笑。
ぷっくりとしたシルエットが何とも可愛らしいです。木肌もすべすべしてなめらかで、触っていてとても気持ちがいいです。木のお皿が欲しいと探していましたが、いい出会いができてうれしく思います。
本来お茶に使う道具だと思いますが、コーヒーの道具として良さそうだなと思い購入しました。コーヒー豆をすくうのに丁度よいサイズで使っていくことに馴染みそうです。コーヒーを淹れる時の楽しみとなっています。
商品説明の「海苔の香り」に惹かれて購入しましたが、確かに茶葉からほのかに海苔の香りがします。
ぬるめのお湯でいれると甘みが感じられ、ちょっと熱めのお湯で入れると渋みがあってあんこなどの甘いお菓子に合う味になりました。とてもおいしいです。
好きなお茶にこれを入れて玄米茶にできるなんて素敵! と思って購入しました。
同じ茶葉でも、最初は甘みやコクを味わい、最後は玄米茶に、と違う楽しみ方ができてとてもいいです。
湿気る前に使い切れそうな分量もちょうどよく、なくなったらまた買い足そうと思っています。
陶器の急須も持っていますが、こちらは一杯だけいれたいときに重宝しています。
透明なので、茶葉の開き具合や色が見えるのが楽しいし、洗うのも簡単。ちょうど片手でつかむ感じで持てるので、安心感もあります。
蓋が平らで収納しやすいのもありがたいです。