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作り手のことば「山並みや海辺、森の中の植物の断片を器に落とし込む」陶芸家・村田匠也さんインタビュー
2023年06月23日
by 煎茶堂東京編集部
たゆたう色の濃淡をまとい、自然を宿したような器を生み出す村田匠也(むらた・たくや)さん。京焼を継承する家で育ち、自身も同じ道を選んだ村田さんは、器とどのように向き合ってきたのでしょうか。
今回は、煎茶堂東京での器のお取り扱いに伴い、村田さんに作陶への思いを伺いました。
村田さん、今日はよろしくお願いします。ご家族が代々陶芸に携わっていたそうですが、これまでに受けた影響を教えてください。
私の家族は、主に煎茶道具を中心に茶碗、食器、花器など、様々な種類の器を制作していました。そして、幼少期からその姿を見て育った私も、二十歳の時に陶芸の道に進みました。
当初は祖父や父が手掛けた作品からひたすら学ぶ日々。たくさんの数の器を見てから、自分でも器作りをするようになり、そこから徐々に自分の形を生み出せるようになっていきました。
作品を作る工程の中で、好きな工程と理由を教えてください。
作る行程で最も好きなのはロクロ成形です。土を挽き上げた時にしか出せない表情や、スピード感のある作業工程に魅力を感じています。
村田さんの作品は、水面のゆらぎのようなシルエットとみずみずしい青白磁が印象的です。情景豊かに心が掻き立てられましたが、自然物とご自身の作品に通じるものはあるのでしょうか。
作品は全て自然物からの影響を受けています。具体的にこれといったテーマがあるわけではなく、制作する中で、これまで目にした山並みや海辺、森の中の植物の断片が思い出され、それを形に落とし込んでいきます。
今回取り扱う「茶杯」「ビール杯」「青白磁葉形片口」「ゆらぎ茶杯」は、どれも飲み口がキリッとして美しく、とくに片口のくちばしの部分は繊細なつくりにうっとりします。
先程の話とつながりますが、器の細部には自然や風景から感じとったものが、どこかしらに現れています。片口の先端部分の造形も、いつか見た植物の葉先かもしれません。
器を作る上で一番大事なことは何だと思いますか?
大切にしていることは感動を形にすることです。
いつか見た自然物の、美しいと感じた形の魅力だけを抽出して形にできたら、自ずと作品は良いものになると感じています。これからも、そんな器作りを続けていきたいですね。
村田匠也さんの作品
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