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作り手のことば「大切なのは作り手本位ではなく、向こう側にある竹を意識すること」おじろ角物店・小代正さん 小代美穂さん
2023年04月28日
by 煎茶堂東京編集部
竹で編まれたシンプルな四角いかごは、「角物(かくもの)」と呼ばれて昔から親しまれています。そんな角物に魅せられて竹の仕事を営む「おじろ角物店」。彼らが生み出す角物は、端正な佇まいと実用性の高さが多くの人に支持されています。
今回は、煎茶堂東京でのお取り扱いに伴い、小代正(おじろ・ただし)さんと小代美穂(おじろ・みほ)さんご夫婦にお話を伺いしました。
小代さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、角物を作ることになったきっかけを教えてください。
角物の仕事をする以前から、四角い物や箱類が好きで。あるギャラリーに行ったときに、竹でできた四角い角物に一目惚れしたんです。
それから、角物師である寒竹唯善さんに夫婦で弟子入りして、角物作りを学び始めました。2008年よりおじろ角物店という屋号で独立して、現在は私たちとスタッフ1名の3人体制。竹の四角いシンプルな箱型のかごを中心に、自分たちが欲しい、使いたいと思うものを、真竹を使い製作しています 。
角物専門の職人はとても少ないという環境で、製作を続けている小代さん。作品を作る工程の中で、好きな工程を教えてください。
丸い竹をピシッと四角形に仕上げていくことに達成感を感じますが…、結局、全ての工程が好きですね。
かごの角を四角く整えるためには、骨格となる竹を熱して曲げる“火曲げ”という技法が必要です。仕上がりを左右するこの作業で心がけていることを教えてください。
完成度の高い角物を作るためには、火曲げが命と言えるほど。自然の竹には1本1本違う性格や癖みたいなものがあり、作り手が強引に曲げようとしても割れてしまったり、言うことを聞きません。
修行中には「竹に聞け!」と師匠である寒竹さんに言われていて。材料の竹と対話するように手が覚えるまで3年、5年とかかりました。作り手本位ではなく、向こう側にある竹を意識することは、今でも大切にしていますね。
今回取り扱う「角物定番 #4」では、お茶道具を保管したり、持ち運ぶのにちょうどいい大きさ。角物を幅広い用途で使うために意識していることはありますか?
角物の大きさは、江戸時代より前から続いているサイズなんです。ただ、昔の建築、道具と同じ寸尺基準で習ったときは、なんだかしっくり来なくて…。
現在の住宅、キッチン周り、生活道具等の細かいサイズが欧米基準に変わったことが原因だと思います。だから、私たちの作る角物は、現在の生活環境に合わせて、四角形の黄金比率であるAサイズ~B版サイズに変更しました。
もちろん、お茶道具や、昔からある道具にも合う大きさであることは考えながら製作しています。
角物のかごを、より長く使うためのお手入れのコツはありますか?
竹かごは、使えば使うほど飴色になり、風合いが増していきます。気を使わずに、どんどん使いこんでもらえるとうれしいですね。
水洗いをしたら、湿ったまま置いておくと裏側の底にカビが付いてしまいます。裏返しにして風通しのよい所に置くと、長くきれいに使えますよ。
角物を作る上で一番大事なことは何だと思いますか?
角物は、もともとは用途があって作られた道具です。芸術性や作家性を出さずに、ニュートラルにシンプルに、要らない装飾等は落として製作することを大切にしています。
今後挑戦してみたいことはありますか?
これからは、1人1人のお客様の希望するフルオーダーの商品をもっと作れたらいいですね。それぞれの使い方が見れて、作るうえでも楽しくあり、また、とても勉強になるからです。