
作り手のことば「常に頭に置いているのは、“手回しせねば雨が降る”」角田清兵衛商店・七代目角田清兵衛さん
2022年11月18日

by 神まどか
和歌山県は海南市で漆器の製造・販売を行う角田清兵衛商店(つのだせいべえしょうてん)は、「何気ない日常を上質な時間に変えていく」をコンセプトにシンプルな木製品を展開しています。その歴史は、なんと天保元年に遡ります。
今回は、煎茶堂東京でのお取り扱いに伴い、角田清兵衛商店 七代目の角田清兵衛さんにお話を聞きました。
角田さん、本日はよろしくお願いします。まずは、「角田清兵衛商店」というブランドについて教えてください。
創業は、1830年(天保元年)、商品の製造は和歌山県海南市を中心に、国内では石川県加賀市、海外では中国福建省でつくっているブランドです。(ブランドサイト:https://www.seibee.co.jp )
「角田清兵衛商店」が漆器を作ることになった経緯や歴史ですが、実は100年前に米騒動で社屋が焼失してしまって、過去を遡る事が出来ないのです。ですがおそらくその当時海南の地で漆器が盛んになり始めたばかりだったからだと思われます。
海南市の画家、雑賀紀行氏が書かれた一節にも、こう記されています。
画家・雑賀紀行氏によって描かれた角田清兵衛商店のおひつ
現在、七代目・角田清兵衛としてブランドを守っている角田さんですが、先代たちから受け継いできたことの中で、角田清兵衛らしいと感じるものはありますか?あれば、それはどういった教えですか?
家訓である、「手回しせねば雨が降る」を常に頭に入れて商売をしています。「手回しせねば雨が降る」とは、紀州和歌山人はよく使う言葉なのですが、「手回し」=段取り、『雨が降る』=不測の事態を意味します。
つまり、段取りを怠ると不測の事態を招くぞということです。日々の仕事にしても、ブランドの未来にしても、常に先を見越した行動が必要だと思っています。
器を作る上で一番大事なことは何だと思いますか?
使ってくれる人の美味しそうな、嬉しそうな表情を目に浮かべながら品物を開発する事だと思います。
今後挑戦してみたいことはありますか?
コロナ前に海外進出をしようと挑戦し始め、4回展示会に出展をしました。その後渡航できずじまいなので、今後は海外にも視野を広げていきたいと思っています。
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