
わたしの茶道具「一目で心を奪われた可憐な私だけの茶壺」カフェ&ギャラリー「STARDUST」清水香那さん
2021年12月23日

by 神まどか
煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー 青森県生まれ。よく飲みよく食べよく眠る。好きな食べ物は「豆花」。突拍子もなく大きい声で歌うのが好き。朝に弱いけど早起きに憧れます。
お茶のある暮らしを楽しむうちについ増えてしまう茶道具たち。でもお気に入りの逸品があると、お茶はもっと楽しくなる。センスのよいあの人が、そんな愉悦にどっぷりつかってしまった茶道具をご紹介。
京都府・紫竹でカフェ兼ギャラリーを営む『STARDUST』の清水香那さんがお気に入りの茶道具は、茶壺。古物市の出会いについて伺いました。
一目で心を奪われた 可憐な私だけの茶壺
お茶周りの道具には夢がありますね。お抹茶、中国茶や、紅茶、コーヒーなど、それぞれの世界観に合わせて道具を集めることも楽しみの一つです。中でも私は茶壺の存在が好きなので、ついつい目がいってしまいます。
私が暮らす京都では、月に数回古物市が立ちます。『天神さん』や『弘法さん』と呼ばれ親しまれていて、私も早起きが出来た日は出かけます。何年か前のこと、天神さんでひとしきり歩き回り買い物も終わって歩いていたら、この古い茶壷と目が合ったのです。
沢山の古物に中にあって、一際目を引く、その可憐な立ち姿にたちまち目が釘づけになりました。中国の古い物だそうで、錫製で珍しい七面体。各面には飾りのガラスの窓があり、複雑な模様が彫り込まれた凝ったデザインです。
ガラスもヒビが入り首もひしゃげて傾いてしまっていますが、私にはそんなところも愛おしく感じられました。そして、その茶壺にすっかり魅了され、すぐに購入を決めて大事に胸に抱えて持ち帰りました。
当時の人が、この茶壺にまだ見ぬ異国の面影をなぞらえたのだろうか…と想像します。どんなお茶の時間や設を楽しんでいたのだろうと想いを馳せるのも、こうした古い道具を愛でる楽しいひとときです。
カフェ・ギャラリー『STARDUST』
清水香那さん
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オーストラリア、アメリカ、仙台を経て、2011年に京都へ移住。2015年に「STARDUST」をオープン。オーガニック食材を使ったメニューを提供するカフェと、清水さんの琴線に触れたアーティストの展示なども行う。Instagram:@stardust_kana |
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