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作り手のことば「試行錯誤しながら常に一番良いと思える形を探っている」陶芸家・畠山雄介さんインタビュー

2025年02月28日

by 煎茶堂東京編集部

武蔵野美術大学で陶芸を学び、在学中から活躍する若手陶芸家の畠山雄介さん。彼の生み出す作品はどれも、凛と美しいシンプルなフォルムが特徴的です。

今回、煎茶堂東京で畠山さんの作品をお取り扱いするにあたり、畠山さんのお人柄、作品や陶芸に対する想いなどを伺いました。

畠山さん、今回はよろしくお願いします。まずは、簡単なプロフィールを教えていただけますか。

よろしくお願いします。私は、1992年に広島県広島市に生まれました。現在は、愛知県常滑市で制作活動を行っています。

どのようなきっかけで器づくりを始められたのですか?

大学1年生の頃、通っていた大学の卒業制作展に展示されていたクラフト作品を観たことがきっかけです。

作品のインパクトにも圧倒されましたが、個人作家という生き方に衝撃を受けたことをよく覚えています。それまでインテリアデザイナーを志していた自分にとって、すべての工程を自分の手で完結できるという姿が衝撃的でした。

作品を作る工程のなかで、好きな工程とその理由を教えてください。

器を窯の中に並べていく作業が好きです。「焼成された器がどんな仕上がりになるのだろう」という期待感があります。あと、これ以上手を加えられない状態になるので、諦めがつくと同時に安堵する瞬間でもあります。

作品を作るにあたってのインプットはありますか?

特に意識して行っているインプットはありませんが、完成した自分の器を並べて、「ここの形をもっとこうしたらよくなるんじゃないか…」と、一日中眺めていることがあります。

畠山さんが、器を作る上で一番大事にしていることは何ですか?

佇まいの良さです。自分の中に“ある心象風景”があって、その空間に器を置いたとき、違和感がないかというのを考えながら作っています。

今回、カフェオレボウルや丸カップなどの形状を一新したと伺いました。過去の形から新しい形に変えたきっかけ、どういう部分を変えたいと思ったのか、今の考えをぜひお聞かせください。

私の作っている器は、土も釉薬もシンプルなものなので、ありきたりな形にならないよう気を配っています。

先ほどお話ししたように、日頃からより良い形になるよう、焼成が終わった器をじっくり見比べる習慣がついています。そのなかで、思いついたアイディアはとりあえず試してみることにしています。日々試行錯誤しながら、現段階で一番良いと思える形を常に探っているんです。

今回、煎茶堂東京さんに納品した器も、以前作っていたものより緊張感や見応えのあるものに仕上げました。具体的には、フチに反りをつけたり、飛びカンナ※で細かな模様をつけたり、釉薬を施した後に箒で細かな溝を作ってみたり。

ぱっと見は大差ないかもしれませんが、光に当てたときに見えるちょっとした陰影や模様のおかげで、シンプルながら表情豊かな器に仕上がったと思います。

※飛びカンナ:工具の刃先で、器に連続した模様をつける技法。ろくろで回転しながら独自の模様を描く。

作品を手に取った方の暮らしにおいて、ご自身の作品がどのような存在であってほしいと思いますか?

私の仕事は、ものを作るところまでだと考えています。お客さんの手に渡った後は、皆さんのお好きなように使っていただけたら嬉しいです。

畠山さんのInstagramを拝見すると、器の制作過程のリール動画が多く投稿されています。一般の人にとってはなかなか見る機会のない貴重なものだと思うのですが、発信することの意義や狙いなどがあればお聞かせください。

身の回りにある陶器が、どういう工程を経て仕上がっていくのか知ることができれば、より器への愛着を持ってもらえるのでは、と思って始めました。

実際、一人で制作と撮影を同時に行うにはかなり無理があるので、制作に支障のない範囲でマイペースに続けていけたらと思っています。

先日、初めて上海での企画展に参加されたと拝見しました。手応えはいかがでしたか?

実際に、現地のお店には伺えていないので、お客さんから直接反応をいただいたわけではないのですが、海外でも自分の器が求められているというのがとても嬉しかったです。そして、的外れなものづくりはしていないのだなと安心しました。

最後に、今後挑戦してみたいことがあれば教えてください。

タイルや屋根瓦などの制作を通して、より広い空間作りに携わってみたいです。

畠山雄介さんの作品

Instagram:@hatakeyamayusuke
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