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ぬくもりを感じるガラス。相馬佳織さんの器

2024年10月31日

by 煎茶堂東京編集部

青森県青森市に生まれ、現在は長野県長野市に拠点を移し、暮らしながら器づくりをしているガラス作家の相馬佳織さん。

アトリエ「FUKU galssworks」を立ち上げ、ガラス作家としての活動をするかたわら、ご自身が使ってみてよかった作家さんやメーカーのアイテムを販売する実店舗「FUKU tenpo」の運営もされています。

そんな相馬さんの作品から今回は、「グラス」「片口」「ぐいのみ」「みちかげ」をご紹介します。

「FUKU glassworks」の名前にあるように、ガラス工芸のなかでも「吹きガラス」で器や照明、オーナメントなどを制作している相馬さん。

ガラス作品というと「涼しげな夏」をイメージすることが多いと思いますが、ざらざらとした手触りや不透明な相馬さんの作品は、季節というくくりを超えて、おだやかな温かみのようなものを感じさせてくれます。

ガラスの粒がきらめく「グラス」

「うたかた」と名付けられたシリーズの「グラス」。「うたかた」は、水面に浮かぶ泡や、儚く消えやすいものを表す言葉で、まさに表面に振りかけられたガラスの粒たちがいちばん美しい瞬間を切り取った作品のように見えます。

ざらざらとした質感は、グラニュー糖を振りかけたよう。光に当たるときらきらと輝き、光を通すとテーブルに美しい影を落とします。

パフェ、スティック状のお菓子を盛り付けてみるのもよさそうです。

光を通す「クリア」のほか、不透明なパステル調の「セラドングリーン」のご用意があります。

シュワシュワとしたかわいさ。「片口」

同じく「うたかた」シリーズの「片口」。底面にかけてのカーブがおだやかでありつつも、スッと静かな佇まいが印象的です。

底から上方に向かってガラス粒の密度が低くなっていく様子が、まるで炭酸が発泡しているようにも見えます。

小鳥のくちばしのようにシャープな注ぎ口は水切れがよく、注ぐ姿も自然とスマートに。

「ぐいのみ」と揃えて、日本酒がお好きな方へのギフトとしても喜ばれそうです。

容量は八分目で約200ml。自家製ドレッシングやソースを入れて、いつもと違う食卓を演出してみるのもいいかもしれません。

こちらも「クリア」と「セラドングリーン」のご用意があります。

光の反射が美しい「ぐいのみ」

「うたかた」シリーズから、もうひとつ。光によって異なる表情を見せてくれる「ぐいのみ」です。指先で持ち、角度を変えるとガラスの粒たちが生命を宿したようにきらめきます。

容量は八分目で約55ml。日本酒はもちろん、冷茶や低温で味わいが引き立つ玉露などを飲むのにおすすめです。

月面を想起させるプレート「みちかげ」

月をぺったんこにしたような幻想的なプレート「みちかげ」。片面はガラス粒によるざらりとした手触りで、もう片面はつるんとしていますが、どちらも表(おもて)として使うことができます。

マットなホワイトの粒々が重なり合うことで描かれる濃淡は、まるで朧月夜のよう。

直径約15.2cm、厚みは0.4mm。お茶菓子を添えて、まわりの余白を眺めながらのお茶時間は至福のひとときです。

相馬佳織さんの作品

フードスタイリスト・鈴木愛

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