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作り手のことば「僕にとって一番身近な、地元・益子の土の個性をとらえて表現できたら」陶芸家・小野陽介さんインタビュー

2024年08月30日

by 煎茶堂東京編集部

生まれ育った栃木県益子の土にこだわり、シンプルながらも、地元の土の良さを引き出した表情豊かな器を作り続けている、陶芸家・小野陽介さん。

今回、煎茶堂東京で小野さんの作品をお取り扱いするにあたり、小野さんのお人柄、作品や陶芸に対する想いなどを伺いました。

小野さん、今回はよろしくお願いします。まずは、簡単なプロフィールを教えていただけますか。

よろしくお願いします。僕は、1987年に栃木県益子市で生まれました。愛知県立瀬戸窯業高等学校専攻科を卒業後、2015年に地元の益子に戻り、陶芸家の父の元で昨冬に励んできました。

2016年から2017年にかけては「クラフトフェアまつもと」や、大阪・堺で開催されている「灯しびとの集い」などに出展しました。

2021年には、茨城県石岡市に引越して自分の工房を持つようになり、現在に至っています。

器を作ることになったきっかけを教えていただけますか。

子どもの頃は陶芸家になるつもりはなくて、絵を描くのが好きだったので、漫画家になりたいと思っていました。

ただ、父が陶芸家だったのと、地元が焼き物の街・益子だったこともあり、幼い頃から陶芸が身近にありました。
いろいろな器を見る機会があって、見たり触れたりしているうちに、自然と少しずつ陶芸をやってみたくなったという感じです。

作品を作る工程の中で、小野さんが好きな工程とその理由を教えてください。

ロクロを回しているときや手捻りなど、形を作っているときが好きです。一番没頭できる工程だからだと思います。

小野さんは出身地である栃木県益子の土にこだわって器を作られていますが、益子の土の特性や、他の土にはない魅力を教えていただけますか。

土にもよるのですが、他の焼き物の産地の土に比べて腰がなく、成形しづらかったり、焼成後もへたりやすかったりします。そのため、カチッとした形を作ったつもりでも、どこかゆるっとしてしまうんです。けれど、それも1つの個性としてとらえて表現できたらなと思っています。

成形のしづらさからくるポテっとした作りや、焼成後の歪みやすさからくるフニャっとした感じが、どこか素朴さを感じさせる点は魅力かもしれません。あとは、僕にとって一番身近な土だから使っているというのは大きいです。

小野さんの器はどれもシンプルでありながら、釉薬(ゆうやく)による色の表現が繊細、かつ多彩な印象を受けます。常により良い釉薬を追求されているようにお見受けしますが、小野さんの目指す理想の色、質感とはどのようなものですか?

きれいな釉薬を研究したいというのもありますが…その上で、益子の土とどう調和させるかを考えています。繊細できれいな釉調※でありながら、「野生みのある土らしい表情もどこか感じられる」みたいなのが理想ですが、それを表現するには、まだまだ研鑽が必要そうです。

※釉調:釉薬で表現できる焼き物表面の質感のこと。ガラスのようにクリアな光沢のあるもの、マットなもの、ザラザラとしたものなど、さまざまな質感を表現できる。

作品を作るときのインプットはありますか?

器に限らず、過去の作品と現代の作品、両方を見るようにしています。

器を作るにあたって、一番大事にしていることは何ですか?

楽しく作ることです。

最後に、今後挑戦してみたいことがあったらぜひ教えてください。

大物や一点物をもっと作っていきたいです。

小野陽介さん
Instagram:@yousukeonopottery

小野陽介さんの作品

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