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ふたつの白を、気分に合わせて。石田誠さんの器

2024年07月25日

by 煎茶堂東京編集部

愛媛県松山市で作陶している石田誠(いしだ まこと)さん。松山市の南にある砥部町は、地元でとれる陶石を使った独特の厚手の磁器「砥部焼」の産地。

その砥部の磁器土を使い、うっすらと青みがかった白磁の器は、石田さんの代表作の一つです。これは、磁器土に透明釉をかけて還元焼成することで、釉薬の中に含まれる鉄分が青く発色するからだそう。

もう一つは、同じ「白」でもほんのりクリーム色に仕上げた器。こちらは磁器土と釉薬が酸化焼成することで、黄色く発色するからだとか。色の差は光の加減で大きく異なり、それぞれの表情が楽しめます。

今回は、「端反り湯呑み」、「3寸小付」、「4.5寸リム皿」、「6.5寸リム皿」を、それぞれ2つのカラーでご紹介します。

すらりと上品な雰囲気。「端反り湯呑み」

「端反り(はたぞり)」とは、口の先が外側に沿っている形のこと。石田さんの「端反り湯呑み」は、胴から高台にかけてしなやかなカーブを描き、手にフィットするシルエット。高さ7cmで、すらりとした佇まいです。

白磁の器は、凛とした上品な雰囲気。すっきりとした緑茶や中国茶がよく合いそうです。一方、クリーム色はあたたかみが感じられ、ほうじ茶などが似合いそう。もちろん、どちらの器で何を飲んでも自由ですが、同じお茶でも器で気分が変わりそうです。

日常づかいにしたい器。「4.5寸リム皿」

シンプルな「4.5寸リム皿」は、何をのせても絵になる器。石田さんによってリムの幅が絶妙に計算されていて、食べ物をのせるとたちまち“おしゃれ感”が出るのです。

直径14cmの4.5寸皿は、副菜を盛り付けたり、取り皿として使ったりと日常で活躍するサイズ。この使い勝手のよさで、食卓への登場頻度が高くなること間違いありません。

裏にまで釉薬をかけて、テーブルに傷がつかないようになっているという点にも、石田さんのこだわりが感じられます。

汁気のあるものも受け止める。「6.5寸リム皿」

「4.5寸リム皿」よりひとまわり大きい「6.5寸リム皿」は、直径19.5cm。手に持ってみるとしっかりとした厚みと重みを感じ、心地のよい安定感があります。こちらも裏にまで釉薬が施されています。

リム部分がほんのわずかな傾斜になっていて、中央部がやや深くなっているので多少の汁物でも盛り付けられるのがいいところ。クリームパスタや、ジューシーなステーキなど、和洋中どんなものでも盛り付けてみてください。

一つあると幅が広がる。「3寸小付」

直径9cm、高さ3.5cmの「3寸小付」。「小付」とは、小さな小鉢のことを指しますが、実はこの小付がひとつあると、テーブルコーディネートの幅が華やかに広がります。石田さんの「リム皿」と揃えても、もちろん相性はばっちり。

ちょっとしたおつまみを盛り付けて主役のように使ってもよし、薬味をのせて大きな皿の脇役のように使うのもよし。テクニックいらずでセンスのよい食卓が完成します。

絶妙なカラーリングで、とにかく「白色」が美しい石田さんの器。2色それぞれ集めて、合わせる器やカトラリーを変えてみるのも楽しそうです。

石田誠さんの作品

フードスタイリスト・鈴木愛

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