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火と温度と壮麗さを宿す。光藤佐さんの器
2024年07月11日
by 煎茶堂東京編集部
京都で焼き物と絵を学び、現在は兵庫県朝来市(あさごし)で器づくりに情熱を注ぐ、陶芸家の光藤佐(みつふじ・たすく)さん。全国各地で精力的に出展されており、独特な風合いや造形の面白さに心を奪われる人が多くいます。
今回は、そんな光藤佐さんの作品の魅力や、私たちが考えるおすすめの使い方を提案します。
窯の温度を感じる。「安南手カップ」「白磁鎬カップ」
李朝の器や韓国の古物の写し、漢詩などを作品に取り入れる光藤さん。この「安南手(あんなんで)カップ」はベトナムに伝わる手法を用いて作られました。
呉須(ごす)と呼ばれる青色の絵付けの上から、溶けやすい釉薬をかけることで滲んだ線に仕上がります。
通常焼いている最中の窯の中は見ることができませんが、火や温度をすこし感じられるような気がします。
貫入の入った味わい深い風合いは見ていて飽きません。釉薬のかかっていない箇所もありますが、これは釉薬をかける際に残った指の跡。綺麗に整っていないところがこの器の最大の魅力です。
一般的な湯呑みのサイズなので、たっぷりお茶を飲みたい時、おおらかな気持ちにさせてくれるカップです。同じ形でしのぎが入ったタイプのものもあります。
こちらは安南手に比べて青みと緑が強く出ています。磁器ですがこの器でアイスコーヒーなどを入れてみるとまるで居心地の良い喫茶店で出てくる飲み物のよう。自由に使ってみてくださいね。
釉薬とびいどろの輝き。「白磁片口酒注5寸」
厳かな雰囲気を感じる酒器ですが、お酒はもちろん抹茶や煎茶にもおすすめしたい片口です。夏は急冷茶にもぴったり。
来客の際にこの器に氷を入れてお茶を淹れたら、きっと喜ばれることでしょう。ご家族との団欒や、ひとりの晩酌の時間をとびきり贅沢にしてくれます。
自然を感じる「白磁面取高坏5.5寸」
まるで神社仏閣の建築物のような、大きな山脈のような、思わず見上げたくなる高坏。こちらも酒器同様、ところどころにびいどろの溜まりが見られます。
面が連なって生まれる、大胆で伸びやかな線が見ていて心地よい。こんなふうに観察するところがたくさんある器は見るほどに新しい発見があって楽しいものです。
何を載せよう?と考えて、のし梅を。他にも上生菓子や苔玉などの植物もいいですね。しばし眺めて思わず手を合わせてしまいそうな雰囲気さえ感じられます。
最後に、光藤さんの言葉を。
「料理を持って、おいしそうだなと思えるようなものを作ること。器って、絵で言えば額縁、人に着せる着物のようなもので、主役はあくまでも料理だと思うんです。「この器に盛ると料理がおいしい」と思ってくれる人が、1人でもいればいいです。」
カップも片口も高杯も、いつもの食材をすこし特別なものにしてくれる。そんな器だと思います。
フードスタイリスト・鈴木愛
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