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白の奥行きを感じる磁器。色原昌希さんの器

2024年04月11日

by 煎茶堂東京編集部

岐阜にある「多治見市陶磁器意匠研究所」で2015年まで経験を積み、現在は岐阜県瑞浪市で作陶している色原昌希(いろはら・まさき)さん。ろくろと型を用いて、暮らしに寄り添う磁器を制作しています。

今回は、そんな色原さんの作品の魅力をご紹介します。

サイズ違いで楽しみたい。「ポット250ml」と「茶壺」

250ml

色原さんの魅力を十分に感じられる作品のひとつが、ティーポットです。持ち手やふたなどディティールにまで個性が感じられ、オブジェのような佇まい。透明感のあるマットな白い質感が、プロダクトのような端正な雰囲気を醸し出しています。

さまざまな造形のポットに挑戦している色原さんですが、こちらの「ポット 250ml」は、紅茶を楽しみたくなるようなスタンダードなシルエットのティーポット。かと思えば、持ち手の部分のカーブなどは独創的で、唯一無二のデザインになっています。

一方「茶壺」は、「ポット 250ml」をふたまわりぐらい小さくしたサイズのポットです。内容量は約100mlで、ひとりでお茶を楽しむのにも最適。小さな茶杯と合わせれば、ふたりでティータイムを楽しむこともできます。

よく似たふたつのポットですが、「茶壺」はどちらかというと緑茶や中国茶を淹れたくなる雰囲気。用途別にふたつ揃えて、棚に兄弟のように並べて置くのもよさそうです。

重なり合う花びらのよう。「稜花茶杯」と「八稜花茶托」

つややかな磁器の「稜花茶杯」は、花をかたどった小さな茶杯。薄く軽く仕上げられていて、磁器ならではの繊細な美しさを堪能できます。

濁りのない真っ白な器にお茶を注げば、お茶の色を目で楽しむこともできるでしょう。

「八稜花茶托」は直径約9.5cm。その名のとおり花びらが8枚重なったような八稜形になっていて、「稜花茶杯」と合わせて使うのもおすすめです。底の部分が花のように立ち上がりのあるデザインで、華やかさも添えてくれます。

たっぷり入るから用途はさまざま。「八輪花茶海」

「八輪花茶海」は、お茶をいったん移すのに使うための道具。上でご紹介したマットな質感のポットや、つるりとした透明感ある茶杯とはまた異なる雰囲気で、うっすらと青みがかったような静寂な白が印象的です。

水がたっぷりと入る大きさなので(満水にして約400ml)、氷を浮かべてアイスティーやアイスコーヒーを入れるピッチャーのように使ってもよさそう。トレーにのせて、華奢なガラスのカップと合わせても素敵です。さりげなく花を飾って、花器のような使い方もいいかもしれません。

飲み物を選ばない、ちょうどいいデミカップ&ソーサー。

色原さんの器を手に取ってみて感じたのは圧倒的な使いやすさ。使いやすさと一言に言っても、それは機能的な面や素材的な面、価格的な面とさまざまだと思いますが、まずは土の素材に触れたいと思います。

磁器はご存知の通り土の密度が高く、陶器に比べて割れにくいのが特徴です。滑らかなので茶渋などもつきにくく、万が一ついてしまったとしても簡単なお手入れで綺麗にすることができます。使うときに気にすることが少ないというのは使用するシーンを限定せず、使いやすいと言えると思います。

次にシルエットですが、コーヒーも中国茶も煎茶を注いで違和感のない形というのが嬉しい点です。デミタス(デミカップ)はコーヒーのための器ですが、その佇まいのオリエンタルな雰囲気から、いろんな国の飲み物をおおらかに受け取ってくれる気がします。

最後に価格ですが、カップとソーサーで6,000円以下というのはなかなかありません。もう少し大きいサイズのものだと大体7,000円程度のものが多いと思います。ただ、「サイズが小さいのに大きいものと価格が変わらない」というお声を聞くことがありますが、作り手からするとサイズの大小でも作業は変わりません。土の量がほんの少し変わるだけで、そこに価格の差別化をつけるのは難しいのです。

ですから他の作品の価格が決して高すぎるわけではありませんが、その中でも色原さんの作品全体的に良心的な価格帯だと思います。もちろん、原材料の高騰やその他の要因によって今後は値が上がることも考えられるので、ご縁を感じた方はこのタイミングでぜひお求めいただけたらと思います。

このデミカップ&ソーサーが自宅にあったなら。朝のコーヒーの時間も午後のティータイムもより豊かなものになりそうです。

色原昌希さんの作品

フードスタイリスト・鈴木愛

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