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作り手のことば「お茶は人々の関わりや日々の暮らしをより豊かな時間にしてくれる存在」陶芸家・林沙也加さん

2024年03月22日

by 煎茶堂東京編集部

兵庫県丹波篠山市で作陶する林沙也加(はやし・さやか)さん。やわらかな曲線の器が手のひらに収まると、静かで穏やかなお茶の時間へと気持ちが切り替わります。

今回は、煎茶堂東京でのお取り扱いに伴い、林さんにお話を伺いしました。

林さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、器を作ることになったきっかけを教えてください。

地元である岐阜県瑞浪市が陶磁器の産地で、器作りを生業とする方が多く、その環境に少なからず影響を受けてきました。手探りで始めた器作りが今まで続いています。

作品を作る工程の中で、好きな工程と理由を教えてください。

ろくろで成形する工程が好きです。やわらかく滑らかな土が薄く伸びていく感覚が心地よいです。器の形を決める緊張感もあり、大切な工程だと感じています。

ご夫婦二人三脚で制作に取り組まれている林さんですが、旦那様から影響を受けたことはありますか?

夫はとても空間作りが好きで、これまでお店や工房を作ってくれました。空間の構成や素材の取り合わせなどとても楽しそうに相談してくれる夫と一緒になって考えると、新しい視点を持つことができて良い刺激になります。

茶器をメインに制作されていますが、その理由をお聞かせください。

中国式の茶器を手掛けるようになったのは依頼されたことがきっかけでしたが、その制作と同時期に偶然にも中国に行く機会がありました。

訪れる先々でお茶を淹れて談笑する現地の方の姿がとても印象的で、明るく穏やかに時が流れるようで素敵だなと感じていました。また、お茶は人々の関わりや日々の暮らしをより豊かな時間にしてくれる存在だと感じ、そのための器を作りたいと考えるようになりました。

焼き締めと施釉とで、2種類の作品を作られていますが、技法の使い分けや、磁器の素材に対するこだわりを教えてください。

やわらかな透光性とあたたかみのある白さに惹かれて磁器という素材を選んでいます。
焼き締めは艶のない落ち着いた質感であり、内容物を引き立てることに適した仕様だと考えています。施釉は表面が平滑であるため香りを手放しやすく、聞香に適していると考えます。

制作を続ける中で変化したこと、変わらないことを教えてください。

これまで磁器を素材に制作を続けて来ましたが、器以外にもボタンや照明などを制作させていただく事もあり、構成中のひとつの要素としてのものづくりの楽しさも感じるようになりました。何を作るにしても、変わらず自身の感覚を大事にしていきたいと思っています。

光に当てると透けるくらい薄手の器は触り心地や飲み心地が抜群。

作品を作るときのインプットはありますか?

アンティークや骨董品などを見ると、手馴染みの良さや佇まいの美しさに心を動かされることがあり、それがインプットになっているかなと思います。

器を作る上で一番大事なことは何だと思いますか?

使い手とって器が心地よい存在となれるよう、心掛けて制作しています。

今後挑戦してみたいことはありますか?

薄手の手捻りの茶器を作ろうと試作しています。

林沙也加さんの作品

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