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今さら聞けない「熨斗(のし)」のマナー。いざという時、正しく選べる?

2020年02月14日

by 煎茶堂東京編集部

日本における「おくりもの」の儀式は、「包む」というところから始まります。 日本古来の宗教である、「神道」において神前に供えた貢ぎ物を包んだのが発祥とされており、お供えの際に農作物や魚介類を束ねるため、和紙で包んだ上から数本の白い紙縒りを束ねて結び切りにする形で捧げていたことに由来しているのだとか。 日本に布が存在するようになった時代より、包みものとして布を用いるようになり、風呂敷で包むようになりました。 参考:「喜ばれるラッピングは、風呂敷で作れる。かんたん風呂敷の包み方」 まずは「のし」と「水引」の簡単な歴史からご紹介します。

熨斗とはそもそも何?熨斗をつける理由

「熨斗」とは、現在では贈答の際に用いられる飾りのことを指すことが多いです。ギフトにかける紙を「熨斗」として認識されるシーンも少なくありませんが、それは「掛紙(かけがみ)」と呼びます。

本来の「熨斗」は水引の右斜め上にひっそりと佇んでいる飾りのこと。一度は見たことがあるのではないでしょうか?

「熨斗」は、アワビを薄くひも状に削ぎ、干して半乾燥させたものを伸ばしてまた乾燥させ、また伸ばし…を繰り返し、紙で包んだものです。

古来より長寿をもたらす縁起物としての意味があるアワビは、慶事だけでなくお見舞いの際にも用いられていました。

現在の佐賀県・長崎県の風土記、「肥前国風土記」にも熨斗の記述があることから、古くとも江戸時代から熨斗の文化があったことが分かります。

熨斗の漢字の由来の一説として「熨(=熱でしわを伸ばす)斗(=ひしゃく)」という説があります。中国語でも、熨斗は「アイロン」と訳されているのです。

仏事では熨斗をつけないとされていますが、それは仏教が生臭いものを避けるからで、魚介類を贈答する場合も熨斗自体がアワビであることから熨斗をつけなくてもよいとされているからなんだとか。

このあたりのしきたりはやや細かいので、現在ではケースバイケースで考えたほうが良いでしょう。

水引(みずひき)とは?その歴史

水引とは、慶事で使用されている赤と白の紐状の素材を指します。この起源は室町時代にさかのぼります。

当時の日明貿易の際に、明国(現在の中国)からの輸出品にはすべて赤白の綱がくくられていました。これは単なる明国側の区別だったのですが、日本側がそれを贈答用と誤解し、その後日本でも贈り物をする際に赤と白の紐をかけるようになったとされています。

一説に過ぎないのですが、他にも航海の無事を祈るという理由や、海賊から守るための魔除けとして綱に塗った黒色毒が解かれ赤に変色したという説もあるのです。

水引には未開封であるという封印の意、魔除け、人と人をつなぐ縁という色々な意味が込められています。引けば引くほど固く結ばれる水引には、「結び方」と「表書き」、「水引の色」で表す意味が異なるので注意しましょう。

のしと水引・表書きの組み合わせ

以上の内容をふまえ、贈り物をするときにどのようなのし紙を選んだらよいかをまとめた一覧を作成しました。これらののし紙は、「煎茶堂東京 銀座店」にて対応可能です。

【用途別】掛紙の種類と表書き

紅白結び切り

結婚関連の行事やそのお返しには、“一度結ぶと解けない”結び切りが使用される。

「結婚祝い」の表書き 「寿」「御祝」「御結婚御祝」
「結婚式引出物」の表書き 「寿」
「結婚内祝」の表書き 「寿」「内祝」

蝶結び

蝶結びは簡単にほどけることから、「何度あってもいいお祝い事」に使用される。

「寿」「御祝」「御祝」「寿」「出産御祝」 「出産内祝い」の表書き 「内祝」「寿」「出産内祝」 「開店祝」・「開業祝」・「新築祝」の表書き 「御祝」

開店祝いを「何度あってもいい事」と捉えるのは、建て直しや閉店などと連想しがちですが、「新しい店舗をオープンする」「拡大する」という方向で「何度あってもいい事」とします。

「お祝いのお返し」の表書き 「内祝」
「迎春」の表書き 「御年賀」「御年始」 「お中元」の表書き 「御中元」 「お歳暮」の表書き 「御歳暮」 「お見舞い」の表書き 「御見舞」(お見舞いのお礼の場合は「御礼」)

熨斗アワビには、長寿の意味が込められているので、お見舞いの際にも用いられます。近年では、お祝い事に使用されるイメージから避ける場合も多いですが、シーンに合わせて使いたいですね。

「快気祝い」の表書き
「快気内祝」「内祝」 「謝礼」の表書き 「謝礼」「御礼」 「手みやげ」の表書き 「粗品」「お土産」

黒白結び切り

「通夜」・「葬儀」の表書き
(四十九日まで)「御霊前」
(四十九日すぎたら)「御仏前」「御香料」「御香典」(葬儀のお返しの場合は「志/粗供養」) 「法要(供養)」の表書き (四十九日まで)「御供」「御霊前」
(四十九日すぎたら)「御仏前」

必要になった際に、これらの一覧を参考に熨斗を選んでもらえたら幸いです。煎茶堂東京銀座店の店頭では、ティーコンシェルジュが相談に乗るのでぜひ気軽に相談してみてくださいね。