おいしい椎茸はどうやって作られる?菌種によって変わるフレーバーと椎茸の栽培方法

2020年10月09日

by 煎茶堂東京編集部

秋の味覚として代表的な椎茸。椎茸ステーキや出汁など味に奥深さを加えるために多く使用される椎茸ですが、その「うま味」の味わい深さはどのようにして生まれているのでしょうか?椎茸の栽培方法や種類、菌種によって変わるフレーバーなど、私たちが今まで知る機会のなかった椎茸の面白さを深掘ります。

今回は、「菜食主義の人も、そうでない人もおいしいと感じてもらえる出汁を作りたい。」その思いをきっかけに「椎茸祭」を立ち上げ、椎茸出汁や干し椎茸を製造・販売している竹村 賢人さんに伺いました。

教えてくれたのは…椎茸祭・竹村賢人さん

株式会社 椎茸祭 代表取締役。
2017年に椎茸祭を創業し、椎茸の「ほっ」とさせる力で世界を平和にすることを目指す。肉や魚を食べることのできない彼女(現在の奥さん)と同じ料理をおいしく食べたいという思いを出発点に、椎茸出汁のうま味が持つポテンシャルを追求し続けている。
椎茸祭公式HP:https://shop.shiitake-matsuri.com/

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椎茸ができるまで

一般的に販売されている椎茸には「原木椎茸」と「菌床椎茸」の2種類があります。広葉樹に椎茸の種菌を打ち込んで生やすのが原木椎茸。おが屑と栄養剤を混ぜた菌床に菌を入れて育てるのが菌床椎茸です。原木椎茸の方が、生育に時間がかかりますが、香りが強くなります。一般的には原木椎茸は干し椎茸向き、菌床椎茸は乾燥には不向きで、そのまま調理して食べるのに向いているといわれます。

原木栽培

原木を調達する

https://cdn.shopify.com/s/files/1/0119/8250/3994/files/genboku-01_480x480.jpg?v=1601369047 椎茸栽培に使用される広葉樹(クヌギ・ナラなど)を伐採し、よく乾燥させる。1m程度に切り分けて原木にする。

植菌をする

https://cdn.shopify.com/s/files/1/0119/8250/3994/files/genboku-02_480x480.jpg?v=1601372641 原木にドリルなどで穴を開け、椎茸の菌糸体を含む「種菌」を植え込む。植菌したらブルーシートを被せるなどで保湿し、初期成長を助ける。

本伏せをする

https://cdn.shopify.com/s/files/1/0119/8250/3994/files/genboku-03_480x480.jpg?v=1601372916 直射日光の当たらない場所に、原木と原木の
間をあけて風通しが良くなるように並べて、菌糸
を成長させる。1年半〜2年半ほどで収穫できる。

菌床栽培

菌床をつくる

https://cdn.shopify.com/s/files/1/0119/8250/3994/files/kinshou-01_480x480.jpg?v=1601373057 細かく砕いた広葉樹のおが屑に、水、米ぬかやフスマなどの栄養素を加えてよく混ぜ、ぎゅっと固めて立方体や円柱に成形する。

菌床に菌を注入する

https://cdn.shopify.com/s/files/1/0119/8250/3994/files/kinshou-02_480x480.jpg?v=1601373215 菌床に熱を加えて殺菌し、無菌室で椎茸の種菌を注入する。

菌の培養を行う

https://cdn.shopify.com/s/files/1/0119/8250/3994/files/kinshou-03_480x480.jpg?v=1601373247 気温や湿度の管理された部屋で菌床を保管し、菌を培養する。6ヵ月ほどで収穫が可能となる。

菌種によって変わる、椎茸の味わい

干し椎茸の品質表示にある「冬菇(どんこ)・香菇(こうこ)・香信(こうしん)」とは、実はカサの開き方による区別。カサが開き切っていない冬菇から、香菇、香信の順に開いていきます。一般的に冬菇の方が香りが高いとされますが、そこまで大きな違いは感じづらいのが実際のところだそう。

椎茸の味わいを大きく左右するのは菌種や農家さんの技術ですが、菌種がわかるように売られている干し椎茸はほとんどないため、その違いを知る機会がありません。でも、その味には様々なものがあり、椎茸が嫌いだと思っている人にもおいしいと感じられる椎茸がもしかしたら見つかるかもしれません。
「椎茸祭」で販売している干し椎茸スライス「THE SHIITAKE」は、日本でも珍しい菌種を明記した干し椎茸のブレンド。その味の特徴を紹介します。

・115
肉厚で主にステーキ椎茸などに用いられる。1個3万円を超す「のとてまり」や鳥取「茸王」などと同じ菌種で、食べたときの食感や香りが良い。

・324
椎茸祭的にイチオシの菌種。やわらかく甘い香りが特徴で、椎茸の香りが苦手な人にもおすすめ。煮物やスープに入れると味わいが広がる。

・240
コーヒーのような香りがゆっくりとあがり、後味はすっきり。煮物やスープの他、冷たくしたときの味わいが良く佃煮などの作り置きにも。

・193
ニンニクのような香りが特徴の椎茸。加熱してもグニャリとせずにしっかりとした歯ごたえが残るので、焼いて食べるとおいしい。

椎茸の味を言葉で表現する

おいしい椎茸といえば、「肉厚!」や「ジューシー!」などの食感で表現されることがほとんどで、味や香りに触れられることはあまりありません。じゃあ椎茸はみな同じ味かといえば、もちろん大いに違います。椎茸祭で販売している菌種がわかる椎茸を例に、味の表現の違いを紹介します。

コーヒーやワインの味や香りが様々であるように、椎茸の味や香りの中にも、「コーヒーのよう」だったり「肉のうま味のよう」だったりと、様々に表現できます。上記は、コーヒーやワインの味の表現の指標となる「フレーバーホイール」の椎茸版。椎茸の味わいの多様さと奥深さを、ぜひ感じてみてください。

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