
桜染めのことを教えてください。Maito Design Works 小室真以人さんに聞いた、桜染めの色の種類と手順
2021年03月11日
春の訪れを知らせる、淡い桜色。この桜色は、花びらではなく枝や、樹皮から色を取り出すことで、布を染め上げることができます。美しい桜の花を色づかせる力は、幹や枝、桜の木全体に秘められているのです。
この桜色を取り出すためには、伝統的な草木染めの技法だけではなく、化学的な理論の組み立てや実験という現代的な手法が不可欠でした。毎年違う表情を見せる自然を相手に、その恵みの魅力を引き出す歩みには、お茶づくりと共通した想いが感じられるような気がするのです。
今回は、そんな「桜染め」の色の種類や、手順についてご紹介します。
教えてくれたのは…小室真以人(こむろ・まいと)さん
1983年生まれ。家業の草木染め工房(工房夢細工)で草木染めに触れる。東京藝術大学美術学部工芸科で染織を専攻し、伝統技法を学ぶ傍ら、革の草木染めなどの新しい技術表現を模索。2008年 自身のニットブランド「MAITO」をスタート。2010年にマイトデザインワークスを設立し、東京都台東区上野の2k540に直営店を出店。2012年に台東区蔵前にアトリエショップをオープン。毎月開催されるワークショップも人気。
公式サイト:https://maitokomuro.com/
桜の木から何色に染まる?
桜の木に含まれる色素はピンクだけではありません。黄色やベージュ、灰、さまざまな色が含まれています。草木で布を染めるには、金属質(銀イオン)の成分で色を定着させる「媒染」をする必要があります。染めの色は媒染に使う金属の性質や、使う桜の部位で変わります。
桜色
小枝や蕾など、花に近い部位が、布を桜色に染めます。アルミ性質(※)の媒染で定着させます。
※アルミ性質の媒染には、ミョウバンや木(楮)の灰などがある。
花葉色(はなばいろ)
樹皮を使うと、ベージュに近いオレンジ色に染めあがります。アルミ媒染で定着させます。
淡黄色(たんおういろ)
樹皮の内側にある芯材や初夏の葉を使うと、黄色を帯びた色味に。アルミ媒染を使います。
灰鼠色(はいねずいろ)
桜の木から、薄いグレーを取り出すことも。触媒には鉄を含むものを使用します。
桜染めの手順
【1】枝を細かく刻む
花の咲く前の小枝を手に入れたら、その日のうちに細かく刻み、色素を抽出します。枝の中が黄緑色の状態の生木がベスト。ソメイヨシノでピンク色を、オレンジがかった色味は八重桜や枝垂桜で染めます。
【2】抽出を繰り返す
小枝や樹皮などを細かくしたチップと水、少量の米酢を加えて火にかけて沸騰させます。120分ほどしたら布で濾しさらに3〜4回程煎液を抽出。抽出した煎液を1週間ほど寝かすと、酸化されて赤みが増します。
【3】布に染み込ませる
色素は水溶性のため、布に定着させるためには媒染が必要です。黄色から桜色に染める場合はアルミ、茶色なら銅、灰色なら鉄を含む媒染を行ってから、沸騰した煎液に布を入れ、煎液をしみ込ませます。
【4】乾燥させて、完成
一度に濃く染めようとすると、別の色が混ざってしまうため、短時間の染色を何度も繰り返します。染めあがった布は、しっかりと天日に干して乾燥させます。乾くと布に花の色が移ったような桜染めに。
美しく優しい色合いの「桜染め」。今年は、街に咲く桜の花だけでなく“枝”にも注目して見てみてください。今まで気がつかなかった、枝もほんのりピンクの色だということに気がつきます。
樹皮から色を取り出す瞬間、「命の色をいただいている」気持ちになると教えてくれたのは、Maito Design Worksの小室真以人さん。インタビューも合わせてご覧ください。
草木染めのプロダクトを見る&買う
Maito Design Works 蔵前本店
東京都台東区蔵前にある、ブランド「MAITO」のアトリエショップでは、「MAITO」のほぼすべてのアイテムが取り揃えられています。また、草木染めの染色工房とショップが隣接しているので日によっては製作現場を覗くことも…?毎月、草木染めの体験ができる草木染めワークショップも開催中。
東京都台東区蔵前にある、ブランド「MAITO」のアトリエショップでは、「MAITO」のほぼすべてのアイテムが取り揃えられています。また、草木染めの染色工房とショップが隣接しているので日によっては製作現場を覗くことも…?毎月、草木染めの体験ができる草木染めワークショップも開催中。
所在地 | 〒111-0051 東京都台東区蔵前4-14-12 1F |
電話番号 |
都営大江戸線 蔵前駅:A6出口より徒歩9分
JR総武本線 浅草橋駅:浅草橋駅東口より徒歩11分
その他の店舗はこちらから
このインタビューは「TOKYO TEA JOURNAL」VOL.23に収録されています。
TOKYO TEA JOURNALとは?
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毎月、3種類の日本茶が届きます。産地や製法によって、味が違うのがおもしろかったり、和紅茶や烏龍茶などもあったりと、日本茶が身近になりました。
いれる時間から、香りや色を味わって、飲んで癒されてます。
普段から何の気なしに頂くお茶ではありますが、普段使いの域を出ないのもお茶だと思います。
お接待で頂くお茶の美味しさに感動するも、なかなか好みのお茶探し迄はたどりつけず…。
でも、このtokyo tea journal 毎月楽しく3種類お試しでき、気に入れば購入も出来るので、美味しいというレビューだけど…どうかなぁ?や、買ってみたけど口に合わない〜の心配もないのが素敵です。
更に届いたお茶とのマッチングや説明まで綺麗な写真や絵も添えられた冊子も届き、至れり尽くせりです。
こんなに大切に届けて頂け、自分好みのお茶に出会える、毎月の楽しみです。
毎月季節に合わせたお茶が3種類届くので楽しみにしています。煎茶、ほうじ茶、和紅茶など、おいしさの発見があります。日常使いではついつい一杯分を少な目で飲みがちですが、適量(思っているよりかなり多め)の確認もできます。路面店にもぜひ伺いたいと思っています。海外の方々にも日本茶のおいしさをアピールしてほしいです。
毎月ちょっとした小話とお茶と何をあわせるか、のコラムがついており、一緒に届くお茶をどう、なにとあわせて飲もうか…と楽しんでいます。日常の中のつかの間のゆったり自分時間を作るのにとても役に立ってくれています!これからも楽しくお茶生活できたらと思います!
美味しいお茶を自分の時間に、ホッと頂いています。お茶が美味しいだけでなく、見た目が美しく、癒し。です!!
お茶の解説を見ながらどれにしようと、選ぶのも楽しいです。
洗いやすいのもとっても嬉しい!
自分へのご褒美になりました(^^)
ありがとうございました。
大切に使います。
先ず茶葉から、フレッシュな緑茶の香りが漂っていて癒されてます。
1杯目だけでなく、2杯目も甘みをより感じられる気がしました。とても美味しいです。
二級品ということで試しに二つ購入しました。どちらも難点はここかな?という程度で全く気にならないレベル、商品規格に厳しん基準を設けている姿勢に信頼が増しました。
少し青みはありますが陳腐なプラスチック感が無いのも良く、茶回り品を集めていると場所を取らずスタッキング出来るのはとても助かります。
こちらで紹介される他の器にも注目していますが、作家の方の器を増やして行っても不思議と調和してくれる急須です。
今後も色々な器のご提案を楽しみにしています。
外は白っぽく少しシャリッと糖化していて噛みごたえがあります。
少し小粒なものの中はもちっとした食感も少し楽しめます。
ラム酒の風味が程よく効いているので、日本茶に限らず紅茶や中国茶にも合うと思いました。コーヒーにも良いと思います。
黒豆絞りは好きなお茶請けでしたが、こちらはこれまでに無い風味で気に入りました。
もう少し大粒だとなお良かったです。
齢50を過ぎ、物欲がだんだんとなくなってきた分、余計に使い勝手や手触り、見ての美しさなどが気になるようになってきました。
そこでずっと気になっていた透明急須の二級品、今回清水の舞台から飛び降りて購入してみました(大げさ
二級品と言いながら全然どこに不良があったのかと思うくらいきれいな品でした。
また、形もシンプルで使いやすく、洗いやすく、そしてテーブルに置いておいても様になる、まさに用の美の極致ともいえる形で、使っていてとても幸せな気分になります。買って良かったです。
自宅で愛用しており、今回お茶好きな友人のプレゼント用に購入しました。
見た目もスタイリッシュでかわいい・使いやすい・洗いやすいところが気に入っているのですが、友達も全く同じ感想で毎日使ってくれているようで嬉しくなりました。
本格的な急須やティーポットでゆっくりティータイムも好きなのですが、自分一人の時はもうこれが楽で一番です。日本茶も中国茶も紅茶もすべてこれで飲んでいます。
お茶とセットで届く冊子は、お茶に合う食事やお菓子を解説……してくれるのですが、その内容が「え、そこ?」となるラインナップです。
今回はしらす丼やカモミールなど、確かに旬を感じる一品が並びますが、定番をズラしたセレクションになっているところが面白いです。全国あちこちの季節を感じさせてくれるので、飛行機の機内誌のような雰囲気も感じます。
個人的な要望としては、煎茶堂東京さんは日本茶の専門店ゆえに難しいところもあるかと思いますが、最近、ブームになりつつある和紅茶のセレクションがどうなるのかに興味があります。どうかご一考を!
お茶が大好きで、こちらのお店とご縁がありとっても嬉しいです。冊子は読む度にほっこりします。お茶とお菓子、器の使い方も学べて、実践はなかなか難しいですが、自分流にアレンジしながら自分時間を楽しんでいます。