フローリストedalab.が思う植物とお茶の魅力。知るともっと楽しめる「飲む植物園@東京茶寮」のコンセプト

お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」VOL.3で掲載した「植物としてのお茶」edalab.前田さんへのインタビューを全文掲載いたします。

 

edalab. 前田裕也さん

1.「飲む植物園@東京茶寮」について、単なるイベントではなく、インタラクティブなインスタレーションアート作品となっています。通常「店でお茶を飲む」と言う体験は、店側(ホスト)と客側(ゲスト)の関係性がありますが、参加者が自ら植物を摘み取り、会場に影響を与えていくというところがユニークなイベントでした。このイベントのコンセプトや狙いについて詳しく教えてもらえますか?

我々の代名詞である「ハーブを自分でトッピングする」というその発案、アイデアはパートナーのセキネトモイキ(ドリンクディレクター)が持っていました。それを説得力のある装飾で展開したいとオファーを受けて、二人でブラッシュアップしたのが「飲む植物園」の始まりです。結果的に「飲む植物園」は五感のうち「味・視・嗅・触」に直接アクセスできるのが強みになり、コラボレイティブなチームとして活動できています。
昨年を振り返ると、東京茶寮さんの“お茶”という確固たるコンテンツに対して、ハーブのトッピングやセキネの特製シロップがその“お茶”に対して揺さぶりかけてをコンテンツを未知なるものに変えてしまう期待感があったかと思います。そしてedalab.の担当する装飾は単にディスプレイとして花や植物を眺めるのではなく、苔や植物に触れたりすることで指先から伝わる情報を含ませています。なので、触ってみたくなるような質感の花や葉っぱ、逆に触るのが憚られるような刺々しいバラの茎なども意識して配置しています。それから上で挙げた“ハーブを摘む”という行為、参加者ひとりひとりの作業としてはとても単純なことですが、長丁場のイベントに数百人の行為が集積していきます。徐々にレイアウトが変わっていき、当初のデザインか変容せざるを得ないことで、単なるディスプレイから有機的な作品に成り代わる面白さがあります。
セキネが「飲食産業を経験産業に」と口にしているのですが、SNSやウェブの紹介記事越しには伝わらない情報量がそこにあるからこそ、昨年の参加者の熱量になったのかなと感じております。

2.edalab.さん自身、お茶は普段飲まれますか?お茶と植物の共通点はありますか?

生活の拠点が京都ということもあり、知人から茶席にお呼ばれして日本茶や中国、台湾茶をいただくことがあります。
花が時間をかけて咲くことで人だけでなく虫や鳥を誘き寄せて、種子を運ばせるように、優れた茶葉もまたお湯の中でじっくりと開いて香味を醸し、それに魅了された人々が茶木を大切に次の世代に継いでいくという部分に茶葉を含めた植物の面白
さを感じます。

photo by edalab.

3.お茶には花を活けるということも含んだ総合芸術としての側面があります。飲む植物園が茶道とは違う形で、現代の総合芸術の要素を表現しているとも感じますが、edalab.さんが考える現代の花とアートの関係について教えてください。

花は時間との密接な関係や素材としての幅広さなどインスタレーションとの親和性は高いかなと思います。今も個人的に面白いインスタレーションのアイデアはありますが、残念ながら実現できるための案件がありません(笑)。あと花はずっと昔からアートのモチーフになっていますが、そういったモチーフではなく“フラワーアート”と呼ばれる花そのものを使った作品に関しては、自己表現の為に花を使うのではなく、花のもつ魅力を拡張できる作品が健全なフラワーアートだと思っています。

4.前回は秋を中心とした前後の季節の移ろいを表現されましたが、次回8月1日〜4日の開催「飲む植物園@東京茶寮」のコンセプト・イメージを教えてください。

日本の夏の花である朝顔というアイデアがあります。千利休の朝顔の茶席エピソードもあったり、根強い愛好家がいる江戸朝顔を軸にできれば面白いなと思いつつ、イベントの開催時間と開花時間がうまくはまるかどうか。うちの父親が朝顔に関心を寄せているので相談してみます。

5.お客様にどんなふうに楽しんでいただきたいですか?

じっくり植物を観察して、遠慮なく植物に触って香りを嗅いで、ハーブを摘む。そして写真もバシバシ撮って、お茶を味わう。どれもこれも能動的に楽しんだほうが断然楽しくなりますね。

6.edalab.さんは植物をセレクトする際、何を基準に選んでいますか?

依頼内容の完成図や全体像を思い描きながら、この子が入ると面白いくなりそう!かわいいだろうな!という意識が働きます。そういうお花や植物は往々にしてクセのある子ですね。ですが、そういう花ばかりになると“過ぎたるは猶及ばざるが如し”なので、抑揚をつけてお花を選んでいます。

7.edalab.さんは使用する器なども個性的で見応えのあるものを使用していますが、器のセレクトや見つけ方などはどのようにされていますか?

花器集めはガラクタ系の古道具屋の店主から20個合計1000円で壺や花瓶を譲ってもらったのがきっかけでした。なのでクセの強い壺なんかもありましたが、花をいけると案外素敵に見えるという不思議さに惹かれました。ちょうどメタルバンドの古着Tシャツとか民族着をお洒落な女の子が着たら妙にかわいいみたいな。なので、個人的には骨董屋の薀蓄で花器を買うのではなく(たまに買いますが)、リサイクルショップに埋もれてる得も言われぬ花器を探しがちです。

 

edalab.(エダラボ)

2016年より、前田裕也による植物のプロジェクト拠点として、京都・紫竹にedalab.を開設する。ブライダル装花やイベントを中心に活動しながら、並行してアートワークの制作も行う。また、不定期でオープンラボ「秘密の花屋」を開催している。
2018年春 初のエキシビジョン「百の植物片」をMTRL KYOTOにて開催
2018年夏 ドリンクディレクター・セキネトモイキ氏と「飲む植物園」を始動
http://www.edalab-flower.com
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Drink Director・セキネトモイキ

京都市内にて、ジン専門のカクテルスタンド「nokishita711 gin & cocktail labo.」や、「The Roots of all evil.」を手がける傍ら、ワールドワイドにジンのイベントや店舗プロデュース、空間デザインなどを手がける。最近では『昆虫食』分野にも果敢に挑戦する、異端のドリンクディレクター。
https://www.nokishita.net/
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<インタビューをまとめた記事はTOKYO TEA JOURNAL本誌でお楽しみください>

日本初「観て飲む」お茶の定期便
TOKYO TEA JOURNAL
500円(税込)

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