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萎凋工程による華やかでセクシーな香りを漂わせるロマン派。007 宵の七曜星

2019年04月19日

by 煎茶堂東京編集部

現在、煎茶堂東京・東京茶寮で提供されている、シングルオリジン煎茶「007 宵の七曜星」をご紹介します。

007 宵の七曜星

萎凋工程による華やかでセクシーな香りを漂わせるロマン派。
一般的な煎茶のイメージを覆す一煎。

‍‍‍甘味:★★★ 苦味:★★ 旨味:★

ほのかに紅茶のような香りのする華やかさが魅力。微発酵によって旨味成分が香り成‍‍‍分に変化しているため、すっきりとした味わいで香り高いフレーバーになっている。『やぶきた』品種ではあるが、煎茶というイメージを一新するようなお洒落な印象があり、このようなネーミングに。空の薄明かりの中に星を見るようなロマンチックな雰囲気で飲むことをおすすめしたい。

合組 『やぶきた』シングルオリジン
産地 静岡県「俵峰」
農園 山崎 栄
標高 487m
蒸し 浅蒸し
火入れ 99℃ 10min
来歴 静岡県在来種実生
農林水産省 品種登録年 1953年
種苗法 品種登録年 未登録
早晩性 中生
品種の特性 総合的に優れた品種で、国内の全栽培面積の約8割を占めている品種。
甘味のある濃厚な味と優雅な香気を持っている。
命名の由来 篤農家の杉山彦三郎が茶の種子を播いたものから選抜。その選抜した場所が竹藪の北側だったことから『やぶきた』と命名。
ちなみに、『やぶみなみ』もある。

茶葉

水色

レーダチャート

生産地・品種について

夜空と星がきれいに見える天空の土地、「俵峰」──

お茶は平地や山の麓・中腹・山頂など様々な自然条件の中で栽培‍‍‍されています。「宵の七曜星」が作られる「俵峰」は、静岡の山間を縫うようにうねる、細い道を通った先にある高地の茶園です。見下ろ‍‍‍すと眼下に茶畑が広がり、夜空と星がきれいに見え、新茶時期のみ霧がかかるという恵まれた天空の土地ならではのお茶作りが行われています。

写真
静岡の山手の産地では浅蒸し製法が最も一般的です。その浅蒸し製法の中でも、涼しい山間地を利用した自然萎凋という工程を踏んでいるため、少し中国茶のような、花のような香りがあります。この製法は昔から行われているのですが、そこに恵まれた土地の条件が重なり、奇跡的にこのような独特かつ良質な味わいが生まれているといえます。99度 10分という一般的な火の淹れ方は、浅蒸しとしてはもう少し焙煎をしてもよいのですが、この短時間にすることにより、「俵峰」ならではの味わい、萎凋の香りが丁度マッチし、このお茶の特徴を存分に味わうことができる状態に仕上がっています。

ライナーノーツ

お茶の産地、農園を訪ねるということはどういうことなのだろう。普段、口にするお米や野菜や果物、コーヒーといった農作物の産地をわざわざ知るために訪ねたことは過去一度もなかった。僕の実家付近では梨園を道沿いに頻繁に見かけるし、すぐそばで米も作られていたが、その生産者の人の話を聞きに行こうと出かけたことはない。もしこれが、遠く離れた場所に住んでいる人で、梨に特別な思い入れのある人であれば別かもしれない。あるいは僕にとってのお茶がそうなのだろうか。「宵の七曜星」の産地「俵峰」へは、まるで自分の田舎に帰るかのように何気なく向かっていた。いかにも「郵便配達の頻度が少なそう」な曲がりくねった急な坂道を車で登っていくと視界が開けて、美しい山々の風景が見下ろせるようになった。日を遮る背の高い木々はなく、山の傾斜に背の低い茶樹が段々をなしている。茶園というのは圧巻の風景だが、こちらを萎縮させるような威圧感はなく、なぜか心が和むような、落ち着く優しい景色として目に映る。初めての土地とは思えない心地よさ。山崎 栄さんはこの土地が持つ魅力をそのまま映したような人だった。澄み切った美しい空気と時間がするする流れていく。お茶というのは、歴史があるがゆえに懐古的に捉えてしまったりするが、セピアな世界ではない。まさに現代に浸透している産業であり、未来へ向けて変わっていくものだという、至極当然のことを実感した。山崎 栄さんが好む、少しだけ萎凋させたお茶の味は、僕が思うこれから流行るお茶の味と重なっている。

LUCY ALTER DESIGN 谷本幹人

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