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やぶきたの孫にあたる煎茶界のニュースタンダード。001 はるもえぎ

2019年04月17日

by 煎茶堂東京編集部

現在、煎茶堂東京・東京茶寮で提供されている、シングルオリジン煎茶「001 はるもえぎ」をご紹介します。

001 はるもえぎ

やぶきたの孫にあたる煎茶界のニュースタンダード。
見事にバランスのとれた豊かなフレーバー。

甘味:★★★ 苦味:★★ 旨味:★★★

バランスの取れた味わいが魅力。『やぶきた』の味とは異なる個性を持つが、クセが強すぎず、どこか垢抜けたキャラクターを持つ。浅蒸しに近い中蒸しのためほどよいとろみがある。和栗のような甘みが感じられ、まろやかな甘いお茶が好きな人におすすめの品種。茶の生産量国内1位の静岡が誇るやぶきたの対抗馬として、2位鹿児島の星となれるか。‍‍‍

合組 『はるもえぎ』シングルオリジン
産地 鹿児島県「頴娃」
農園 かごしま八州たにば茶業(下窪康介)
標高 217m
蒸し 中蒸し
火入れ 106℃ 10min
来歴 ♂:ME52
♀:F₁NN27
農林水産省 品種登録年 2003年
種苗法 品種登録年 2006年
早晩性 やや遅い中生
品種の特性 うまみ成分であるアミノ酸含有率が(やぶきたより)高く、渋味成分であるタンニン含有率が低いのが特徴。 製品としてのお茶の色としては、一番茶、夏茶とも綺麗な鮮緑色。栽培面積がまだ少ないので、希少性がある品種。
命名の由来 摘採期の新葉が淡い緑色で、夏でも色が良好なため、『はるもえぎ』と命名。

茶葉

水色

生産地・品種について

知覧を差し置い‍‍‍て、鹿児島県内の生産量第一位の“頴娃町”。

鹿児島県南九州市頴娃町。鹿児島茶といえば知覧茶が有名ですが、県内生産量の第一位は、知覧町の隣町“頴娃町”です。古くより『ゆたかみどり』を始めとした品種茶の栽培に向いているとされ、品種茶の栽培が行われてきました。その知覧町の中でも一際目立つ茶園が「かごしま八州たにば茶業」です。「はるもえぎ」は、「かごしま八州たにば茶業」の中でも若手、30代前半の下窪 康介さんの手によって栽培されています。

『はるもえぎ』という品種は次世代の品種として非常に注目されているお茶で、生産量はまだわずかですが、華やかな香りと、バランスの取れた味、その中でもあとに残る甘味が特徴となります。品種の特徴というのは代表的な品種である『やぶきた』と比較して考えられるのが一般的で、『はるもえぎ』はやぶきたに比べ2日、摘採日が遅い品種となっています。血統としては『やぶきた』の孫にあたり、静岡の在来種の選抜品種である『静在16』と『やぶきた』の掛け合わせである『F1-NN27』を種子親、宮崎の在来品種選抜である『ME52』を花粉親として生まれた品種になります。『F1-NN27』は晩生品種の代表的な‍‍‍品種である『おくみどり』と同じ掛け合わせです。つまり、『おくみどり』の甥っ子とも言えます。

ライナーノーツ

『はるもえぎ』は、僕と同世代の(僕より若く、20代前半の!)お茶屋さんである竹澤さんから勧められて飲んだのが初めてだった。その頃、僕はまだお茶に品種があるなんて知らなくて、今から思えば『やぶきた』の味に慣れていた。『やぶきた』が茶園面積75%を占める日本の環境においては仕方のないことだが、品種というものを意識して飲んだのはそれが最初の経験だった。やぶきた以外の品種茶というのは生産量がとても少ない。『はるもえぎ』は特に量が少なく、希少品種というのに相応しいレアな茶葉だった。茶園で新しい品種の茶を収穫するには、茶の木を植え替える“改植”という作業が必要になるから、すぐには生産シェアは変わらない。それはつまり、生産量が少ないということが必ずしも、需要がないとか味が良くないとか、そういうことではないことを表している。2003年に発表されたばかりの煎茶界のニューカマーは、祖父である『やぶきた』の香り・旨味・甘味のバランス感を継承しつつも、ちゃんと現代っ子の顔をしていた。慣れ親しんだ味なんだけど、古臭くない。そんなお茶がこれからヒットするのではないかと『はるもえぎ』に大きな期待を寄せている。

LUCY ALTER DESIGN 谷本幹人

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