【お菓子とお茶】市ヶ谷・ゴンドラ「パウンドケーキ」と「さくらの煎茶」。ヨーロッパの“味の旅”に揺られて

歴史をもつお菓子には、新しいお菓子にはない不思議なオーラがある。多くのお店がひしめき合う東京の地でも、老舗と呼ばれるお店は多くはありません。

その佇まいにさえうっとりしてしまう、“死ぬまでに一度は食べたい”東京のおやつと、おやつに欠かせないお茶を紹介します。

今回、食いしんぼうデザイナーの神(ジン)が紹介するのは、一度食べたら全幅の信頼を置いてしまう、93年続く洋菓子店の「パウンドケーキ」です。



ゴンドラの「パウンドケーキ」

 




千代田区は九段南、靖国通りにお店を構える「ゴンドラ」。東京のパウンドケーキといえば───右に出るものは居ないのではないかと大袈裟なことを言っても言い過ぎではないほどの美味しさです。

昭和3年(1928年)の創業以来、「知られているケーキをより美味しくつくること」をモットーに、シンプルかつこだわり抜いたお菓子を親子三代で作り続けている洋菓子店が、この「ゴンドラ」。

上京してきて早6年。地図で見るとこんなに小さいのに、Google Mapに入れている「行きたいお店」リストが一向に消化できないほど、お店がありすぎる東京。

そんな中でも移り変わる東京をずっと見てきた“老舗”を、まずは回らねばなるまい。そういうわけで、今回この「ゴンドラ」の最高傑作とも名高い「パウンドケーキ」(5号:直径15cm缶入 2,500円税込)を選びました。



嬉しい驚きの連続




私がお菓子を買うときについ見てしまうのが、「紙袋」と「包装」。持ち帰りのあるお店にはつきもののこれらですが、ひとつ作るのにお金も手間もかかるもの。

だから、既製品でもいいし、お菓子を選ぶ際の重要なポイントではないのですが、「ゴンドラ」のような品位を感じるものたちを見るとやっぱりハートをグッと掴まれてしまうのです。






今回は缶入りを購入したので金色のテープリボンをほどき、包装紙をめくります。箱を開けるとお菓子のリーフレットと一緒に、ひとつのコラムが添えられていました。





「我が敬愛のパウンドケーキ」のタイトルで、エッセイスト・三宅菊子氏の短いエッセイが綴られています。携帯電話からゴンドラのサイトを見ると、パウンドケーキの写真の下に同じ文章が載っているので読むことも可能です。(PCからだと掲載されていません)

私もお店に行く前に見てエッセイの存在を知ってはいたのですが、箱の中にこうして入っているとは知らず、液晶で見る文章と紙で見る味わいの違いに驚いたほどでした。

冒頭の文章を見て、サイトに載っているものと同じだと気づき、「絶対にパウンドケーキを食べながら見たい!」と全てを読まずにそっと閉じて横に…パウンドケーキをカットするために裏返すと、このレーズンの量にギョッとします。





紙袋、包装紙、折り込まれたエッセイ、底のレーズン。開けてカットするまでのひとつひとつに嬉しい驚きがこんなに散りばめられているなんて。もう、頭が上がりません。

ラベルを剥がすと洋酒の香りがふんわり漂い、どんなお茶を合わせようか迷います。

 


「飲み物がなくても食べられる」パウンドケーキに合わせるお茶は?


「ゴンドラ」のパウンドケーキは、「飲み物がなくても食べられる」とのことなので、まずはパウンドケーキだけぱくり。あの瞬間に私のパウンドケーキ自体に対する印象がガラッと変わったように思います。

ただ悪戯に重たいだけじゃない、厚みの中に軽やかさがあり、とにかく理屈の前に脳みそが欲しがっている…衝撃の美味しさなのです。ラベルの包みを開けたときに一気に香った洋酒の香りに対して、口に含んだときにはそこまでの派手さはなく、香りの上品さだけが残っているような。

食べた時の走り書きメモには、「ラムレーズンが全くくどくない ペロリと1ホールいけそうで怖い」の一文が。見た目こそ地味ですが、そんなお菓子こそ本物だと見せつけられた気分になります。

この完成されたお菓子には、きっとどんなお茶でも合います。今回、季節を感じたくて選んだ「さくらの煎茶」との相性はバツグン。パウンドケーキがまだ口に残るうちに「さくらの煎茶」をひと口含むと、洋酒の香りとさくらの香りが渦を巻いて天に昇っていくような感覚に。後味に残る煎茶の渋みが心地よく感じます。

香りのお茶と渋みのお茶なら何でも合うのでは。香りの「022 かなやみどり」、渋みの「037 つゆひかり 大山」、変わりダネで「048 鳳春」も試してみたい。1ホール、味わいとりどりのお茶で違った表情を楽しみながら、この偉大なパウンドケーキを堪能したいと思います。






ゴンドラ「パウンドケーキ」

商品名 パウンドケーキ
価格 5号(直径15cm缶入)2,500円(税込)
6号(直径18cm缶入)3,800円(税込)
7号(直径21cm缶入)6,000円(税込)
販売期間 通年販売
販売場所 ゴンドラ
〒102-0074 東京都千代田区九段南3-7-8
(地方配送OK!詳しくは公式サイトをご確認ください)
営業時間

平 日:9時30分~18時30分
土曜日:9時30分~18時00分
定休日:日曜・祝日

電話番号 03-3265-2761
URL http://patisserie-gondola.com/index.html

 


紹介したスタッフ

煎茶堂東京・東京茶寮/デザイナー
神 まどか

青森県生まれ。よく飲みよく食べよく眠る。好きな食べ物は「豆花」。突拍子もなく大きい声で歌うのが好き。朝に弱いけど早起きに憧れます。

https://twitter.com/shenmadoka

 

お菓子とお茶 さくらの煎茶 洋菓子 神 まどか

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